ゴボゴボ、ゼロゼロと湿っぽい咳をする…わんちゃん・ねこちゃんの肺水腫について

こんにちは！

世田谷区等々力にあるけいこくの森動物病院です。

今回は、「ゴボゴボ」「ゼロゼロ」と湿っぽい咳をするわんちゃんやねこちゃんの肺水腫についてお話しします。

肺水腫とは？

肺水腫とは、肺に過剰な液体が溜まり、呼吸困難を引き起こす病気です。この状態はわんちゃん、ねこちゃんのどちらにも見られることがあります。特に「ゴボゴボ」や「ゼロゼロ」といった湿っぽい咳が特徴です。

肺水腫の原因

肺水腫の原因は多様ですが、主に以下の2つに分類されます。

1. 心原性肺水腫

   心不全によって心臓のポンプ機能が低下し、血液が肺に逆流することで液体が漏れ出します。特に高齢のわんちゃんやねこちゃん、また心疾患を持つ動物に多く見られます。

2. 非心原性肺水腫

   心臓以外の原因で肺に液体が溜まる状態です。以下のような原因が考えられます。

   • 中毒: 特定の毒物が肺に損傷を与える。
   • 感染症: 細菌、ウイルス、真菌などの感染が肺を侵し、炎症を引き起こす。
   • 外傷: 肺や胸部の外傷による損傷。
   • その他: 急性呼吸窮迫症候群（ARDS）や重度のアレルギー反応など。

症状

肺水腫の症状はさまざまで、迅速な対応が必要です。主な症状には以下のものがあります。

• 湿っぽい咳: 「ゴボゴボ」や「ゼロゼロ」といった音が特徴で、特に夜間や運動後に悪化することがあります。
• 呼吸困難: 息を吸うのが困難になり、呼吸が浅く速くなる。
• チアノーゼ: 唇や舌が青紫色になる。
• 運動不耐症: 普段問題なかった運動が困難になる。
• 倦怠感: 活動性の低下や全体的な元気の喪失。

診断方法

肺水腫の診断には以下の検査が行われます。

1. X線検査: 胸部X線で肺に液体が溜まっていないか確認します。
2. 超音波検査: 心エコーで心臓の状態を評価し、心原性肺水腫かどうかを判断します。
3. 血液検査: 全身の状態を把握するために行います。
4. 心電図（ECG）: 心臓の電気活動を監視し、不整脈などの異常を検出します。

治療法

肺水腫の治療は原因によって異なりますが、主な方法は以下の通りです。

1. 酸素療法: 呼吸困難を軽減するために酸素を供給します。
2. 利尿剤: 体内の余分な液体を排出するために使用します。
3. 血管拡張薬: 血管を広げ、心臓への負担を軽減します。
4. 鎮静剤: 動物のストレスを減らし、呼吸困難を軽減します。
5. 原疾患の治療: 心不全や感染症など、根本的な原因に対する治療を行います。

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