2024/01/11
皆さまこんにちは。獣医師の山本です。
だいぶ空気も乾燥してきましたね。喉がやられると風邪やインフルエンザになりやすくなります。
暖房も大事ですが、忘れずに加湿もしてくださいね!
アイキャッチ画像はうちの猫のもんじろうです?
今年で7歳になりました?
シニアの仲間入りです。
健康診断をかかさずしています。
今回は脾臓(ひぞう)の腫瘤(しゅりゅう)についてお話しします。
たまに見られるものですが、ここ最近診察で立て続いて診たことと、緊急手術を行ったこと、知らないと愛犬、愛猫が急に危険にさらされることがあるため、皆さんに知っておいていただきたいです。
そもそも脾臓(ひぞう)という臓器(ぞうき)はお腹の中にある臓器で、血液中の古くなった赤血球を壊す働きをしています。
また、身体の中に入ってきた病原菌(びょうげんきん)や細菌(さいきん)などと闘う抗体(こうたい)を作ったり、
新しい血液を溜める働きをしています。
脾臓(ひぞう)の病気はなかなか気づくことが実は難しいです。
その理由としてはよく行われる検査として血液検査がありますが、血液検査では脾臓(ひぞう)のことが調べることができず、
健診や何かを理由に腹部の超音波検査(エコー検査)をして偶然見つかることが多いからです。
ですので、気づいた時には病気が進行していたり、急に元気がなくなったり(後で理由を説明)します。
脾臓(ひぞう)の病気で多いのが、脾臓(ひぞう)にできるできものです。
いろんな見え方がありますが、例えば以下に挙げるように見られます。
脾臓(ひぞう)のできものは腫瘍(しゅよう)(良性、悪性ありますが)だったり、腫瘍(しゅよう)ではない場合もあります。
悪性が疑われる場合はもちろんすぐに治療したほうがいいのですが、腫瘍(しゅよう)でなくても治療の対象になります。
その理由は、脾臓(ひぞう)のできもの自体の構造がもろく、壊れやすいため、
そのできものが大きくなると、破裂(はれつ)し、お腹の中に大量に出血する危険性があるからです。
お腹の中で急な出血が起こりますと、今まで元気だったのに急に元気がなくなったり、出血が止まらなかったり、発見が遅れると最悪の場合死亡する可能性があります。
これはかなり怖いですね?
これを避けるにはどうしたらいいのか。
まず大事なのは早期発見することです!
先ほどお話ししましたが、脾臓(ひぞう)のできものは偶然見つかることが多いです。
ですので、おすすめは健康診断です。
それも血液検査のみの健康診断ではなく、腹部の画像検査を含めた健康診断を定期的に行うことが1番大切と言えます。
では治療法は何があるのか。
できものの治療は一般的には摘出することですが、脾臓(ひぞう)は血液を溜めこむ臓器(ぞうき)なので、
できもののみを摘出することは大量出血の危険があるため行いません。
できものを脾臓(ひぞう)ごと摘出することが一般的です。脾摘(ひてき)と言います。
この手術を行うことで、後々起こりうるお腹の中での出血を予防することができます。
脾臓(ひぞう)まるごと取ってしまって大丈夫なの?とよく聞かれますが、抵抗力が落ちるなど言われますが、
大きく問題になることは正直少ないです。
破裂(はれつ)して、出血し命の危険にさらされるほうが問題であると考えます。
先日検査で偶然脾臓(ひぞう)のできものが見つかり、手術させていただきました。
上の画像の真ん中の子です。
当院での手術は特殊な手術器具を使うため、手術時間、麻酔時間の短縮や動物への負担を減らすことができ、安全に手術が行えます。
小さいできものでも破裂(はれつ)する危険はあると言われています。
詳しい検査に出しましたが、今回のできものは腫瘍(しゅよう)ではありませんでした。
その少し前には一度破裂した脾臓(ひぞう)のできものを摘出しました。
できものの大きさは4~5㎝ありましたが、こちらも腫瘍ではありませんでした。
まとめますと、
1. 脾臓(ひぞう)のできものはみつけにくい。
2. 破裂(はれつ)し、出血する危険がある。早期発見が大事。
3. 治療は早めに。脾摘(ひてき)が一般的。
詳細は当院までご相談ください。
獣医師 山本
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 Animal Dental Office 世田谷
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