2023/05/23
こんにちは。獣医師の日塔です。
先日、当院でパグちゃんの軟口蓋切除、外鼻孔拡張の手術を行いましたのでその症例についてご紹介します。
まず、フレンチ・ブルドックやボストン・テリア、パグなどの犬種では短頭種気道症候群と呼ばれる特有の疾患があります。
これは短頭種にみられる呼吸障害のことで、短頭種特有の骨格や口蓋、喉頭の形状により起こります。
主な症状として高体温、散歩や運動をするとすぐ呼吸が荒くなる、常に口を開けてハアハアと呼吸している(パンティング)、いびきをかく、吸気時に呼吸が苦しそうなどが挙げられます。
短頭種気道症候群で特に多いのが、外鼻孔狭窄症(鼻の孔が狭い)と軟口蓋過長症(軟口蓋が長く、喉に詰まり閉塞しやすい)です。
軟口蓋切除前の喉奥の様子(軟口蓋が長く、気道がかなり狭い状態です)
手術中(中央の糸で牽引しているのが軟口蓋です)
軟口蓋切除後 (喉の奥が見えるようになりました)
手術の適性時期について、6ヶ月齢を超えたら早めに行うことが推奨されています。手術をせずに、そのままにすると喉に過度に負担がかかり続け、呼吸障害の悪化につながります。
1歳を超えていても、手術により呼吸症状の改善は認められます。
外鼻孔拡張後(鼻の孔を広げる処置)
短頭種のワンちゃんのにとってはメリットがかなり大きいため、
手術を受けたワンちゃんたちの飼い主様からは、「呼吸が楽になった」、「思い切り遊べるようになった」などの声をいただいています。
当院では、短頭種のワンちゃんの手術も数多く実施しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院
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