2020/12/02
歯周病治療でいらっしゃったしくろくんの歯科治療。
13歳ということもあり、残念ながら抜歯しなければいけない歯がありました。
痛みも感じていたはずなので、抜歯する事で痛みもなくなり生活の質は上がったと考えられます。
他の部分もスケーリング(歯石除去)を行ったので、歯肉炎や歯周炎は落ち着いて来るはずです。
このしくろくん、実は歯周病以外にも右下の犬歯に問題がありました。
犬歯は左右真ん中から数えて四番目の大きな歯です。
左右の違いがおわかりでしょうか?
写真左の犬歯(右下顎犬歯)は右の犬歯(左下顎犬歯)と比べ色が濃いことが分かるでしょうか。
また歯の先端が黒くなっています。これは過去に破折(歯が折れる)または咬耗(噛み過ぎで歯が磨耗すること)により
歯髄(歯の血管と神経)が露出している(露髄)ことをあらわしています。
この色の違いは露髄して口腔内の細菌が感染し、歯髄炎を起こし、歯髄壊死を起こしたためと考えられます。
このような歯は感染が起こっている為(または感染が起こりやすい)、抜歯または歯内療法(神経血管を抜く治療)が適応となります。
今回の症例では17kgの大きな子で、犬歯を抜くのには顎の骨を少し削る必要があること、外貌が少し変化してしまう可能性を考慮し
歯内治療を選択いたしました。
神経血管を抜き、MTA・ガッタパーチャを詰めたところ
被せ物(レジン)をして終了
当院では現在MTAという新しい歯内治療の材料を使用しております。
従来の治療法より迅速にかつ成功率も高く、合併症も少ないとされています(人間のデータでは)。
左右で歯の色が異なる、歯が折れてしまったなどありましたら当院へご相談ください。