2025/04/26
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は目の病気、「結膜炎」についてお話します。
「結膜炎」は、犬や猫にとって非常に一般的な眼科疾患であり、早期の発見と適切な治療が重要です。
今回は結膜炎の原因、症状、診断方法、治療法、予防策について、お話ししたいと思います!
結膜炎とは?
結膜炎は、まぶたの裏側と眼球の白目部分を覆う結膜に炎症が生じる疾患です。
結膜は、目の保護や涙の分泌に関与しており、炎症が起こると視覚や快適性に影響を及ぼす可能性があります。
犬や猫では、結膜炎は比較的よく見られる疾患であり、早期の発見と適切な治療が重要です。
結膜炎の主な原因
結膜炎の原因は大きく分けて感染性と非感染性のものがあります。
感染性結膜炎
ウイルスや細菌、寄生虫などによって引き起こされます。 特に猫においては、以下の感染が多く見られます。
- カリシウイルス
- ヘルペスウイルス
- クラミジア
これらは感染力が強いため、感染した猫を迎えた際に、先住猫にも同様の症状が現れることが多く見られます。
非感染性結膜炎
非感染性結膜炎は以下のような原因で発生します。
- アレルギー:花粉やダニ、ハウスダストなどが原因で目が痒くなり、炎症を引き起こします。
- 目に入った異物:ほこりやゴミが目に入ることで炎症が起こります。
- ドライアイ:目が乾燥することで炎症が起こります。
- まぶたの病気:眼瞼内反症やチェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)などのまぶたの異常が原因です。
- 逆さまつげ:まつげが内側に向かって生えることで、角膜や結膜に刺激を与えます。
- 外傷:目に傷がつくことで炎症が発生します。
これらの原因は、特定の犬種や猫種に多く見られることがあり、年齢を問わず発生します。
結膜炎の症状
結膜炎の症状は多岐にわたります。 以下のような兆候が見られた場合は注意が必要です。
- 目が赤くなる
- まぶたが腫れる
- 目やにが増える
- 目を痒がる
- 目をしょぼしょぼさせる
症状は軽度から重度までさまざまで、治療が遅れるとさらに悪化することがあります。
そのため、早期に獣医師の診察を受けることがとても重要です。
診断方法
結膜炎の診断には、原因に基づいた適切な治療が必要なため、様々な検査を行います。
- フルオレセイン検査:特殊な染色液を用いて角膜に傷がないかを確認します。角膜に傷があると、染色液がその部分に染み込むため検出できます。
- シルマーティアテスト:涙の量を測定し、ドライアイの有無を確認します。涙の分泌が正常かどうかを調べることで、結膜炎の原因を特定します。
- スリットランプ検査:細い光を当てて、目の細かい部分を詳しく調べます。この検査では、目の内部の構造や異常を詳細に確認することができます。
- 眼圧検査:主に緑内障の有無を確認するために眼圧を測定します。眼圧が高いと、緑内障のリスクがあるため、重要な検査です。
これらの検査に加えて、アレルギー検査や血液検査、細菌検査などが行われることもあります。
治療法
結膜炎の治療は、原因に応じて適切に行うことが重要です。
- 抗生物質の投与:細菌感染が確認された場合、抗生物質の点眼薬や内服薬を使用します。
- 抗ウイルス薬の使用:ウイルス性の結膜炎(特に猫ヘルペスウイルスなど)が原因とされる場合は、抗ウイルス薬の点眼や内服が行われます。また、症状が重い場合には免疫調整剤などの補助療法も併用することがあります。
- 抗炎症薬の使用:アレルギー性や刺激による炎症の場合、非ステロイド性またはステロイド系の抗炎症点眼薬が使用されることがあります。ただし、ステロイド薬は角膜に傷があると悪化させる危険性があるため、使用には慎重な判断が必要です。
- 保湿点眼薬(人工涙液):ドライアイによって起こる結膜炎には、目の乾燥を防ぐために保湿効果のある点眼薬が有効です。
- 外科的処置:逆さまつげや眼瞼内反などが原因の場合は、外科的な処置(まつげの除去やまぶたの整形手術)が必要になります。
- 生活環境の改善:アレルギー性結膜炎では、ハウスダスト、花粉、煙などのアレルゲンをできるだけ除去することが重要です。空気清浄機の使用やこまめな掃除も有効です。
予防策
動物の結膜炎は、すべてを完全に防ぐことは難しいですが、日常的なケアと注意によって多くのケースは予防可能です。
定期的な目のチェック
毎日のスキンシップの中で、愛犬・愛猫の目を観察する習慣をつけましょう。
目が赤くなっていないか、涙や目やにが増えていないかを確認するだけでも早期発見につながります。
清潔な生活環境の維持
室内を清潔に保ち、ハウスダストや花粉の蓄積を防ぐことは、アレルギー性結膜炎の予防につながります。
また、猫砂の粉塵や犬用ベッドのほこりにも注意しましょう。
外出時の注意
散歩中や外で遊ばせる際、目にゴミや異物が入らないよう注意してください。
風が強い日や草むらなどでは特に気をつけましょう。
ワクチン接種
猫のウイルス性結膜炎の多くは、ワクチンによって予防可能です。
子猫の頃から定期的なワクチン接種を行いましょう。
成猫になっても定期接種は重要です。
多頭飼育時の隔離と衛生管理
感染性の結膜炎は他の動物にうつることがあるため、目に異常がある動物がいる場合は、接触を避け、タオルや寝具なども別にすることが望ましいです。
まとめ
結膜炎は放置しないで!
「少し目が赤いだけだから…」と放置していると、結膜炎が悪化し、角膜潰瘍や視力障害といった重大な疾患につながることもあります。
特に猫では、ヘルペスウイルスによる慢性的な結膜炎が再発を繰り返すケースもあり、長期的な治療が必要になることもあります。
早期に発見し、適切な診断・治療を行うことで、多くの結膜炎は改善します。
「目をしょぼしょぼさせている」「最近目やにが多い」など、少しでも気になる症状があれば、すぐに動物病院を受診してください!
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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