2025/04/24
こんにちは!けいこくの森動物病院です。
今回は高齢の子に多い病気、前立腺肥大症についてお話します!
「最近、うちの子、排尿の様子がいつもと違う気がする」
「シニア期に入ってきたけど、特に大きな病気もなく元気だし…」
そんなふうに感じている飼い主さんへ、ぜひ知っていただきたいのが犬の前立腺肥大症です。
これは特に、去勢をしていない中高齢のオス犬でとてもよく見られる病気のひとつ。
発見が遅れると、排便・排尿が困難になったり、痛みや出血を伴ったりと、愛犬の生活の質に大きく関わる問題になります。
この記事では、前立腺肥大症の基礎知識から、気をつけるべきサイン、そして予防・治療までをやさしく・わかりやすく解説します。
前立腺肥大症ってなに?
オス犬には、人間と同じように「前立腺(ぜんりつせん)」という器官があります。
これは膀胱のすぐ下にある生殖器官のひとつで、精液の一部を作る働きがあります。
この前立腺が加齢と男性ホルモンの影響によって大きくなってしまうのが「前立腺肥大症」です。
とくに去勢をしていない犬では、6歳を過ぎると8割以上が何らかの前立腺肥大を起こしているという報告もあります。
つまり、「よくあること」ではあるけれど、「放っておいていいこと」ではありません。
どんな症状が出るの?
前立腺肥大の怖いところは、初期は症状がほとんど見られないことです。
それでも、進行してくると、次のようなサインが現れることがあります:
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便が細くなったり、排便時にいきむようになる
→ 前立腺が直腸を圧迫しているサインかも -
おしっこの出が悪い、回数が増えた、血尿が出た
→ 膀胱や尿道への影響が疑われます -
陰部から血の混じった分泌物が出る
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急に元気がなくなる、食欲が落ちる
特に排泄に関わる異変は、犬自身が我慢してしまいやすいため見逃されがち。
日々の観察がとても大切です。
診断にはどんな検査をするの?
気になる症状がある場合、動物病院では以下のような検査を行います:
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触診(直腸検査):肛門から前立腺の大きさや硬さを確認します
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超音波検査(エコー):前立腺の状態や、周囲への圧迫を詳しく確認します
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レントゲン検査:肥大の度合いや膀胱・直腸との位置関係を把握します
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尿検査・血液検査:炎症や感染、腫瘍の可能性を調べます
前立腺肥大症以外にも、前立腺炎、膿胞、前立腺腫瘍などが隠れている可能性があるため、正確な診断が非常に重要です。
治療法は? 予防できるの?
◎ 最も効果的なのは「去勢手術」
前立腺肥大の主な原因は、男性ホルモン(テストステロン)。
つまり、去勢手術でホルモンの分泌を止めることで、前立腺の肥大は自然に縮小していきます。
去勢後は、早ければ数週間で症状の改善が見られることもあります。
また、前立腺肥大だけでなく、精巣腫瘍や肛門周囲の病気の予防にも効果的です。
◎ お薬での対処も可能(ただし根本治療ではない)
「高齢だから麻酔が心配」「持病があるから手術は難しい」
そんなケースでは、ホルモンの働きを抑える薬や、炎症を抑える薬で症状をコントロールすることも可能です。
ただし、これは一時的な対応になるため、定期的な検査と継続治療が必要です。
早期発見・早期対処がカギ!
前立腺肥大症は、命にかかわる病気ではないかもしれません。
でも、放っておくと排泄トラブルや感染症、腫瘍など大きな問題を引き起こすリスクが高まります。
何より、わたしたちが大切にしたいのは、「愛犬が痛みや不快感なく、のびのびと暮らせる毎日」ですよね。
最後に:気になるサインがあれば、ぜひ一度ご相談を
当院では、去勢手術のご相談はもちろん、前立腺の健康チェックも承っています。
高齢のわんちゃんの麻酔についても、しっかりとリスク評価を行ったうえで対応していますので、どうぞご安心ください。
「うちの子もそろそろ7歳…」
「最近、排尿の様子が気になる…」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
〒158-0082
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