2025/04/22
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
ある日、愛犬のお世話をしていると「陰部から膿のようなものが…」ということに気づいた飼い主さま。驚いて検索してみた方も多いのではないでしょうか?
こうした症状の原因として考えられるのが、「亀頭包皮炎(きとうほうひえん)」です。オス犬に起こりやすい病気でありながら、「放っておいていいの?」「治療が必要?」と判断に迷うことも少なくありません。
本記事では、亀頭包皮炎の症状・原因・治療・予防方法について、分かりやすく解説します。
そもそも亀頭包皮炎とは?
亀頭包皮炎とは、オス犬の陰茎(亀頭)やそれを覆う皮膚(包皮)に炎症が起きる疾患です。人でいう「包皮炎」や「亀頭炎」に近い状態です。
陰部からの膿のような分泌物、赤み、腫れ、舐めるなどの行動が見られることが特徴です。
命に関わることは稀ですが、放置すると慢性化や再発のリスクがあるため注意が必要です。
主な症状|こんなサインに注意
犬の亀頭包皮炎では、以下のような症状が現れることが一般的です。
● 陰部からの膿状の分泌物
- 色:黄色〜緑がかった膿のような粘液
- におい:やや強い異臭を伴うことも
- 毛につくと黄色く変色することがあります
● 陰部を舐める・こすりつける
違和感やかゆみを感じており、しきりに舐めたり、床やクッションにこすりつけたりする様子が見られます。
● 赤み・腫れ・痛がる
陰茎や包皮の内側に赤みや腫れがあり、触ると嫌がる、怒るような反応を見せることもあります。
● 排尿時の違和感
重度になると、排尿時に痛みや違和感を示し、頻繁に排尿姿勢をとるのに尿が出にくいことも。
なぜ膿が出るの?|主な原因
膿のような分泌物は、細菌感染による炎症の結果として現れます。犬の亀頭包皮炎の原因として、以下が挙げられます。
1. 包皮内の不衛生な環境
包皮内は湿気と分泌物がたまりやすく、大腸菌やブドウ球菌などの細菌が繁殖しやすい場所です。特に未去勢犬では分泌物が多いため、炎症が起こりやすくなります。
2. 陰部の舐めすぎや外傷
舐めすぎやこすりつけによって細かい傷ができ、そこから細菌が侵入することがあります。
3. 基礎疾患の存在
- 糖尿病
- クッシング症候群
- 免疫低下 など
これらがあると細菌への抵抗力が落ち、炎症が起きやすくなります。
治療はどうするの?|動物病院での対応
症状の程度に応じて、以下のような治療を行います。
● 包皮内の洗浄
- 生理食塩水で汚れ・分泌物を除去
- 多くの場合、初診時にまず実施されます
● 抗生物質の投与
- 感染の程度に応じて内服や外用薬を使用
- 重症例では抗生剤の種類を変えることもあります
● 消炎剤の使用
炎症が強い場合は、炎症を抑えるための薬(非ステロイドまたはステロイド)が使われることも。
● 再発防止としての去勢手術
去勢によって包皮分泌物が減るため、繰り返す亀頭包皮炎の予防につながるケースがあります。
ご家庭でできるケアと予防法
● 陰部を清潔に保つ
お散歩後や排尿後に清潔な濡れタオルで拭くだけでも、汚れの蓄積を防げます。
● 定期的な洗浄習慣
動物病院で指導を受けたうえで、定期的に包皮内の洗浄を行うことが推奨されます。市販の犬用洗浄液は、使用前に獣医師に相談を。
● 毛のケア
陰部周囲の被毛が長い犬種では、汚れがつきやすくなるためトリミングやバリカン処置も有効です。
● 食事・運動・定期検診
免疫力を保つことも感染症予防の大切なポイント。生活習慣を整えることで再発のリスクを下げることができます。
【こんな時は早めの受診を】
以下のような症状がある場合は、自己判断せず動物病院での診察をおすすめします。
- 陰部からの分泌物が数日続く
- 臭いが強く、毛や皮膚に汚れがついている
- 赤みや腫れがひどく、犬が不快そうにしている
- 尿の出が悪い、トイレで頻繁に力む
- 舐めるのを止めない、何度も繰り返す
よくあるご質問(Q&A)
Q:膿のようなものが少しだけ出ているけど元気。病院に行くべき?
→ はい、膿が出ている時点で炎症が起きている可能性が高いため、早めの診察をおすすめします。軽度のうちに治療すれば、通院回数も少なく済みます。
Q:去勢すれば治りますか?
→ 去勢はあくまで再発を予防する手段のひとつです。現在の炎症を抑えるには、別途治療が必要です。
まとめ|早めのケアで愛犬の健康を守りましょう
犬の亀頭包皮炎は、珍しい病気ではありませんが、放置すれば不快な症状が続いたり、再発を繰り返す可能性があります。
日々のケアと早期対応が、愛犬の健康維持には欠かせません。
「もしかしてうちの子も…?」と感じたら、まずは一度ご相談ください。
些細な症状でも、どうぞお気軽にお越しください。
また、東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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