2025/03/18
こんにちは!世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。
今回は誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)について紹介します。
誤嚥性肺炎は、犬が食べ物や唾液、胃液などを誤って気管に吸い込んでしまうことで起こる肺炎のことを指します。シニア犬や嚥下(えんげ)機能が低下した犬によく見られる病気ですが、若い犬でも起こる可能性があります。そんな犬の誤嚥性肺炎について、原因や症状、治療法、予防策を詳しく解説します。
犬の誤嚥性肺炎とは?
誤嚥性肺炎は、食べ物や水分、胃液が誤って気管に入り、肺に達することで炎症を引き起こす病気です。通常、気管には異物が入らないようにする防御機能がありますが、この機能が低下すると誤嚥が発生しやすくなります。誤嚥によって細菌が肺に侵入し、炎症を引き起こすことで肺炎に発展します。
誤嚥性肺炎の主な原因
誤嚥性肺炎の原因はいくつかありますが、主に以下のような要因が関係しています。
加齢による嚥下機能の低下
シニア犬になると、筋力の衰えや神経の働きが低下することで、食べ物をうまく飲み込めなくなることがあります。その結果、誤嚥しやすくなり、肺炎のリスクが高まります。
麻酔後の誤嚥
手術や歯科処置などで麻酔を使用した後は、嚥下反射が一時的に低下することがあります。この状態で食事を与えると、誤嚥を起こしやすくなります。
食道や神経の疾患
食道の機能異常(巨大食道症など)や神経疾患(脳梗塞、椎間板ヘルニアなど)により、正常に飲み込めなくなることがあります。これにより、誤嚥しやすくなります。
嘔吐や逆流の影響
胃液が逆流して気管に入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。特に、胃腸のトラブルを抱えた犬では注意が必要です。
誤嚥性肺炎の症状
誤嚥性肺炎を発症すると、以下のような症状が現れることがあります。
✅ 咳(特に食後や水を飲んだ後に出る) ✅ 呼吸が苦しそう(ゼーゼー、ヒューヒューという音がする) ✅ 元気がなくなる ✅ 食欲の低下 ✅ 発熱(高熱を伴うことが多い) ✅ 鼻水やくしゃみ ✅ チアノーゼ(舌や歯茎が青紫色になる)
これらの症状が見られた場合は、できるだけ早く動物病院を受診することが大切です。
誤嚥性肺炎の診断と治療
診断方法
動物病院では、以下のような方法で誤嚥性肺炎を診断します。
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聴診(肺の雑音をチェック)
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レントゲン検査(肺の炎症の有無を確認)
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血液検査(炎症の程度を調べる)
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気管洗浄検査(細菌の種類を特定)
治療方法
誤嚥性肺炎の治療は、主に以下のように行われます。
🩺 抗生物質の投与:細菌感染を抑えるために処方されます。 🩺 点滴治療:脱水や栄養不足を防ぐために行われます。 🩺 酸素療法:呼吸が苦しい場合に酸素吸入を行います。 🩺 ネブライザー療法:薬剤を霧状にして吸入させ、気管や肺の炎症を和らげるために行われることもあります。
治療の効果が出るまでに数日~数週間かかることがあります。早期発見・早期治療が重要です。
誤嚥性肺炎の予防方法
誤嚥性肺炎を予防するために、以下の点に注意しましょう。
(1)食事の工夫
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シニア犬や嚥下が弱い犬には、柔らかいフードを与える
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食事の際に頭を下げすぎないように、食器を少し高い位置に置く
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早食いを防ぐために、食べやすいサイズにカットする
(2)飲水時の注意
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水を飲んだ後にむせる場合は、少しずつ与える
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流動性の高いもの(スープ状の食事など)は誤嚥しやすいため、様子を見ながら与える
(3)麻酔後の管理
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手術後すぐに食事を与えず、獣医師の指示に従う
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食事の際は、ゆっくり食べられるようにサポートする
(4)持病の管理
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食道や神経の病気を持つ犬は、定期的な健康チェックを受ける
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胃腸の調子が悪いときは、すぐに動物病院に相談する
まとめ
犬の誤嚥性肺炎は、適切な予防策をとることでリスクを減らすことができます。特にシニア犬や持病を持つ犬は注意が必要です。もし「咳が続く」「食後にむせる」「呼吸が苦しそう」といった症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。早期発見・早期治療が愛犬の健康を守る鍵となります。
愛犬の元気な毎日を守るために、日頃のケアをしっかり行いましょう!
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