2025/03/05
こんにちは！世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は犬の停留精巣についてご紹介します。
犬の停留精巣とは？ ～早期発見と治療の重要性～
愛犬の健康管理は、飼い主として最も大切なことの一つです。その中でも、特に男の子犬を飼っている方には「停留精巣（ていりゅうせいそう）」という病態について知っておいてほしいことがあります。
今回は、犬の停留精巣についてわかりやすく解説し、なぜ早期発見と治療が大切なのかについてご紹介します。
停留精巣とは？
犬の精巣は通常、生後2ヶ月以内に陰嚢（いんのう）に降りてきます。しかし、停留精巣の場合は、この精巣が陰嚢に降りず、腹腔（ふくくう）や鼠径部（そけいぶ）など、正常な位置から逸脱してしまいます。この状態が「停留精巣」と呼ばれます。停留精巣は片方だけに起こることもあれば、両方ともに見られることもあります。
原因
停留精巣の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因が関与していると考えられています。特に、特定の犬種では停留精巣の発症率が高いことがわかっています。代表的な犬種には、ダックスフンド、ボクサー、シーズー、キャバリアなどがあります。
また、ホルモンバランスや妊娠中の母犬の健康状態が影響を与える可能性もありますが、確実な原因として証明されているわけではありません。
発見方法
犬の停留精巣は、目で見て確認できることが多いです。陰嚢に両方の精巣が見られない場合、飼い主が異常を感じることがあるでしょう。
通常、健康な犬では、生後2ヶ月頃には陰嚢に精巣が降りてきますが、それ以降も降りない場合は、動物病院での診断を受けることをおすすめします。
また、停留精巣は無症状で進行することが多く、飼い主が気づくのは遅れてしまうことが少なくありません。定期的な健康チェックを受けることで、早期に異常を発見することが可能です。
停留精巣のリスク
停留精巣の状態が続くと、さまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。以下は、停留精巣に関連する主なリスクです。
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精巣腫瘍のリスク
停留精巣が正常な位置に降りないままでいると、精巣腫瘍が発生しやすくなることがあります。特に、停留精巣が片方の場合、その側の精巣が腫瘍を発生しやすいことがわかっています。 -
捻転（ねんてん）のリスク
降りていない精巣が異常な位置にあると、血流が滞ることがあり、精巣が捻じれて血流が止まる「精巣捻転」になることがあります。これは急速に痛みを引き起こし、命に関わる状態となるため緊急の処置が必要です。 -
不妊のリスク
停留精巣が片方であっても、両方であっても、精巣が正常に働かない場合、将来的に繁殖に影響を与えることがあります。特に、片方の精巣が停留していると、もう一方の精巣の機能も低下することがあります。
治療方法
停留精巣が確認された場合、治療方法は主に手術で行われます。停留した精巣を陰嚢に戻す手術が一般的です。この手術は「精巣摘出手術」とも呼ばれ、麻酔下で行います。手術は比較的簡単なものですが、精巣が腫瘍を発生している場合は、その治療も併せて行う必要があります。
治療を行わない場合、精巣腫瘍や捻転などのリスクが高くなるため、早期の処置が重要です。
特に、1歳未満で停留精巣が確認された場合、早期手術を行うことが推奨されます。
停留精巣と去勢手術
多くの場合、停留精巣が発見された際には、去勢手術を同時に行うことが一般的です。去勢は精巣を完全に取り除く手術で、これにより精巣腫瘍や不妊などのリスクを回避することができます。
去勢後は、性ホルモンが減少し、攻撃性やマーキング行動が落ち着くこともあります。
まとめ
停留精巣は早期に発見し、適切な治療を行うことで、愛犬の健康リスクを最小限に抑えることができます。もしも愛犬の精巣の位置に不安がある場合や、気になる点があれば、早めに動物病院に相談することをおすすめします。定期的な健康チェックと、愛犬の体調に敏感でいることが、長い健康な生活を守る鍵となります。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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