2025/02/22
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回はわんちゃんねこちゃんの肺炎についてご紹介いたします。
愛犬や愛猫が咳をし始めたら、飼い主としてはとても不安になることと思います。「ただの風邪かな?」と心配しつつも、症状が続く場合や悪化する場合には、何か深刻な病気が隠れているのではないかと不安になります。特に咳が長引いている場合、その原因として「肺炎」を考える必要があります。肺炎は早期に適切な治療を受けることで回復可能ですが、放置すると命に関わることもあるため、早めの対応が大切です。
今回は、咳が肺炎によるものかどうかを見極めるポイントと、肺炎の症状、診断方法、治療法について、詳しくご紹介します。
1. 咳が示す動物の体調不良
咳が出る理由は一つではなく、さまざまな病気や症状が背景にあります。ペットが咳をする原因としてよく見られるものは以下の通りです。
(1) 気道感染症
犬や猫の咳の原因として最も一般的なのは、気道感染症です。風邪やインフルエンザ、さらには犬の伝染性気管支炎(通称「犬の咳」)などのウイルス感染が原因となることがあります。これらの感染症はしばしば軽度の症状で回復しますが、免疫力が低いペットや高齢ペット、または基礎疾患のあるペットでは重症化することもあります。
(2) アレルギー
ペットも人間と同じようにアレルギー反応を示すことがあります。特に季節の変わり目や室内のダニやほこりなどが原因となって咳が引き起こされることがあります。アレルギー性の咳は一般的に乾いた咳として現れることが多く、原因物質が取り除かれることで改善することがあります。
(3) 心疾患
咳は、心臓疾患の兆候であることもあります。特に高齢の犬や猫で見られる症状で、心臓の機能が低下すると肺に液体がたまり、咳を引き起こすことがあります。心臓の異常が原因の場合、運動後や夜間に咳が強くなることが特徴的です。
(4) 肺炎
そして、咳の背後に潜む深刻な原因として「肺炎」があります。肺炎は、細菌やウイルス、真菌などによって引き起こされ、肺に炎症が生じる病気です。特に、急激に咳が悪化したり、他の呼吸器症状を伴う場合には肺炎が疑われます。
2. 肺炎の症状
肺炎はペットにとって非常に危険な病気です。早期に適切な治療を受ければ回復することも多いですが、放置すると重篤な状況に進行することがあります。肺炎が進行すると、以下のような症状が現れます。
(1) 咳
最も一般的な症状です。肺炎による咳は、乾いた咳から湿った咳までさまざまです。咳が長時間続く場合や悪化する場合、特に注意が必要です。
(2) 呼吸困難
肺炎が進行すると、肺の酸素交換機能が低下します。その結果、呼吸が速くなったり、浅くなったりします。ペットが苦しそうに呼吸している様子を見たら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
(3) 元気消失と食欲不振
肺炎にかかると、ペットは普段よりも元気がなくなり、活動量が減少します。また、食欲も落ち、飲み物やご飯を取らないことが多くなります。
(4) 発熱
肺炎による炎症で体温が上昇することがあります。体温が高くなると、ペットはぐったりとし、体が熱く感じることがあります。
(5) 目ヤニや鼻水
感染症が原因で肺炎が発症した場合、目ヤニや鼻水が見られることがあります。特にウイルス性や細菌性の肺炎ではこれらの症状がよく見られます。
(6) 異常な呼吸音
呼吸音が普段と違う場合、獣医師が聴診を行うことで、ラ音やノイズが聞こえることがあります。これも肺炎の兆候の一つです。
3. 肺炎の診断方法
肺炎を疑う症状が見られた場合、迅速に動物病院で診察を受けることが重要です。獣医師は、ペットの症状を基に次のような診断方法を行います。
(1) 問診と身体検査
まず、飼い主から症状や発症時期、症状の進行具合を詳しく聞き取ります。これにより、咳の原因を絞り込むことができます。また、聴診や視診を行い、呼吸音や体温などをチェックします。
(2) レントゲン検査
肺炎の診断で非常に重要なのはレントゲン検査です。胸部のX線を撮影することで、肺に炎症があるかどうかを確認できます。肺炎が進行している場合、肺に白い影(浸潤影)が現れることがあります。
(3) 血液検査
血液検査を通じて、炎症の有無や白血球の増加、C反応性タンパク質(CRP)の上昇など、感染症に関連する指標を確認します。
(4) 痰の検査
肺炎が細菌やウイルス、真菌によって引き起こされているかを特定するために、痰の検査を行うことがあります。これにより、感染源に最も効果的な治療法を選択することができます。
4. 肺炎の治療法
肺炎は、早期に適切な治療を受けることで回復することが可能です。治療方法は、感染の原因や症状の重さによって異なりますが、一般的には以下の方法が取られます。
(1) 抗生物質
細菌性の肺炎であれば、抗生物質を使用します。細菌の種類に合わせて適切な抗生物質が選ばれます。治療期間が長くなることもありますので、獣医師の指示通りに投薬を続けることが大切です。
(2) 抗ウイルス薬
ウイルス性の肺炎には、抗ウイルス薬が使用されることがあります。特に犬のインフルエンザや猫のカリシウイルスなどが原因の場合、早期の抗ウイルス治療が重要です。
(3) 抗炎症薬
炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイドが使用されることがあります。炎症を抑えることで、咳や発熱などの症状を軽減することができます。
(4) 酸素療法
重症化して呼吸困難が現れた場合、酸素療法を行います。酸素マスクや酸素室を使って、ペットの酸素供給をサポートします。
(5) 栄養管理と水分補給
肺炎にかかると食欲が低下しやすいため、栄養補助や点滴による水分補給が行われることがあります。体力回復のために、十分な栄養と水分の摂取が必要です。
5. 予防と早期発見の重要性
肺炎の予防には、健康管理が最も大切です。特に、定期的なワクチン接種や適切な食事、運動、清潔な環境作りが予防に繋がります。また、ペットが咳をしている場合、早期に専門的な診断を受けることが重要です。早期発見と早期治療が、回復を早め、重症化を防ぐ鍵となります。
結論
ペットが咳をしている場合、その背後にある疾患を早期に発見することが重要です。肺炎は早期に適切な治療を受けることで回復可能ですが、放置すると命に関わることもあります。もし愛犬や愛猫が咳をしている場合、なるべく早く動物病院に相談し、専門的な診断と治療を受けることをお勧めします。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。
けいこくの森動物病院 Animal Dental Office 世田谷
〒158-0082
東京都世田谷区等々力1-34-18
シュロス等々力1F
TEL:03-3704-1014
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。