2025/02/15
こんにちは!
世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です。
「うちの子、いつも鼻が鳴る…」「息苦しそうにしていることがある…」
こんな症状が見られたら、それは鼻腔狭窄症が原因かもしれません。
特に短頭種(鼻が短い犬や猫)に多いこの病気は、呼吸がしづらくなるため、放置すると健康に悪影響を及ぼします。
今回は、犬と猫の鼻腔狭窄症について解説します!
鼻腔狭窄症とは?
鼻腔狭窄症(びくうきょうさくしょう)は、鼻の穴(鼻孔)が狭く、空気がスムーズに通らなくなる状態です。
鼻の穴が狭いため、呼吸時に「ブーブー」「ズーズー」といった音がするのが特徴です。
特に短頭種(フレンチブルドッグ、パグ、ペルシャ猫など)に多く見られ、先天的な異常として生まれつき鼻の穴が小さいことが原因です。
鼻腔狭窄症の主な症状
呼吸がしづらい
✅ 「ブーブー」「ズーズー」といった鼻音
✅ 口を開けて呼吸する(口呼吸)
✅ 運動後に息が荒くなる
いびきがひどい
✅ 寝ているときに大きないびきをかく
✅ 寝苦しそうにする
疲れやすい
✅ 少し動いただけで疲れてしまう
✅ 運動を嫌がることがある
低酸素症のリスク
✅ 舌や歯ぐきの色が青紫色になる(チアノーゼ)
✅ 熱中症になりやすい
鼻腔狭窄症が進行すると、呼吸困難や熱中症のリスクが高まり、最悪の場合命に関わることもあります。
鼻腔狭窄症の原因
鼻腔狭窄症の多くは、先天性(生まれつき)の異常です。
短頭種(鼻が短い犬・猫)に多いです。
犬種
フレンチブルドッグ、パグ、シーズー、ボストンテリア、ペキニーズなど
猫種
ペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチックショートヘアなど
短頭種の犬や猫は、鼻の骨が短く、鼻孔も狭いため、呼吸がしづらい傾向があります。
また、鼻腔狭窄症は「短頭種気道症候群(BOAS)」の一部として、軟口蓋過長症(のどの奥の軟口蓋が長すぎる状態)や喉頭虚脱(のどの組織が潰れる状態)など、他の呼吸器異常と一緒に発生することが多いです。
鼻腔狭窄症の診断方法
動物病院では、以下の方法で鼻腔狭窄症を診断します。
視診・聴診
• 鼻の形や鼻孔の大きさを確認
• 呼吸音を聴診器でチェック
X線検査(レントゲン)
• 頭部の骨格や鼻の内部構造を確認
内視鏡検査
• 鼻や喉の内部をカメラで観察し、軟口蓋過長症や他の異常がないか確認
鼻腔狭窄症の治療方法
鼻腔狭窄症の治療には、環境の改善および外科手術が選択されます。
経過観察・生活改善
症状が軽い場合は、環境を整えることで負担を軽減できます。
✅ 温度管理を徹底する(暑さに弱いため、エアコンで涼しくする)
✅ 激しい運動を避ける(無理に走らせない)
✅ 肥満を防ぐ(太るとさらに呼吸が苦しくなる)
手術
鼻孔が極端に狭く、日常生活に支障がある場合は、手術が必要です。
✅ 鼻孔形成術(鼻の穴を広げる手術)
✅ 軟口蓋切除術(のどの奥の軟口蓋を短くする手術)
手術によって、呼吸がしやすくなり、いびきや息苦しさが改善されます。
当院では半導体レーザーや炭酸ガスレーザーなどの機械を置いているため、積極的に手術を行っています。
鼻腔狭窄症の予防と対策
鼻腔狭窄症は先天的な要因が大きいため、完全な予防は難しいですが、症状を悪化させないためにできることがあります。
✅ 暑さ対策を徹底する(エアコンの使用、冷却マット)
✅ 適度な運動と体重管理を行う
✅ 症状が悪化する前に、早めに動物病院で相談する
まとめ
鼻腔狭窄症は、特に短頭種の犬や猫に多く見られる呼吸障害の一つです。
当院では、鼻腔狭窄症、軟口蓋過長症に対して積極的に手術を行っています。
「呼吸が苦しそう」「いびきがひどい」などの症状があれば、お気軽にご相談ください!
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けいこくの森動物病院 Animal Dental Office 世田谷
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