最近目が白いかも・・・白内障？

2025/02/14

こんにちは！

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳今回はわんちゃんねこちゃんの白内障についてお話します！

目に異常がある？もしかして白内障？

ペットを飼っていると、目に変化を感じることがあるかもしれません。「最近、愛犬（愛猫）の目が白っぽく見える」「なんとなく目の輝きがなくなってきた」と思ったことはありませんか？それはもしかしたら白内障のサインかもしれません。白内障は、加齢やその他の疾患によってペットの視力に影響を与える病気ですが、適切なタイミングで診断と治療を行うことで、ペットの生活の質を保つことができます。

白内障とは？

白内障（はくないしょう）は、目の水晶体が濁る病気です。水晶体は目の中で光を集め、焦点を合わせる役割を担っていますが、濁りが生じると視力が低下し、物がぼやけて見えるようになります。白内障は主に加齢に伴って発症しますが、ペットにおいても多くの要因が関わっており、適切な対応が求められます。

白内障は特に視力に影響を与える病気であり、進行すると視力が完全に失われることもあります。そのため、早期発見が重要です。

ペットにおける白内障の原因とは？

白内障がペットで発症する原因は多岐にわたります。以下は、ペットの白内障の主な原因です。

加齢（老化）

最も一般的な原因は加齢です。年齢を重ねることにより、目の水晶体が劣化し、透明性を失うことがあります。特に7歳以上の犬や猫では、白内障が発症するリスクが高くなります。
遺伝

白内障は遺伝的要因によって発症することがあります。特定の犬種に多く見られるため、遺伝的要素は重要な要因です。代表的な犬種には、プードル、コッカースパニエル、シーズー、ボストンテリアなどがあり、これらの犬種では白内障が早期に発症することがあります。
糖尿病

糖尿病が原因で白内障が発症することがあります。血糖値のコントロールが不十分な場合、血液中のグルコースが水晶体に影響を与え、濁りが生じることがあります。糖尿病による白内障は急速に進行することがあり、視力低下が著しくなるため、早期に診断し、治療を行うことが大切です。
外的要因（外傷、感染症など）

目に物理的な衝撃を受けたり、目に感染症が発症したりすることでも白内障が引き起こされることがあります。外的な刺激や傷害により水晶体が濁ることがあるため、外傷や感染症が原因で白内障が発症することもあるのです。
その他の病気

高血圧、甲状腺疾患、または免疫系の異常も白内障を引き起こすことがあります。これらの疾患によって水晶体に影響を与え、白内障を発症させる場合があります。

白内障の初期症状と進行の兆し

白内障が初期段階では症状が軽度であるため、飼い主が気づくのが遅れることがよくあります。しかし、進行すると視力が著しく低下し、ペットが生活に支障をきたすことがあります。以下は、白内障の兆しとなる症状です。

目の白さ、濁り

白内障の最も顕著な症状は、水晶体が白く濁ることです。特に瞳の中心部分が白くなり、外見からも確認しやすくなります。この濁りは、最初は少しずつ進行し、次第に目全体が白く見えることがあります。
目の輝きの喪失

健康な目は輝いて見えますが、白内障が進行することで目の輝きが失われ、ぼんやりとした印象を与えるようになります。
視力の低下

物がぼやけて見えるようになるため、ペットは物を見失うことが増えたり、障害物にぶつかることが多くなります。視力が低下すると、動きが鈍くなることもあります。
目をこすったり、目を気にする仕草

視力が落ちることによって不快感を感じ、目を頻繁にこすったり、目を気にするような仕草が見られることがあります。
目を閉じることが増える

視力低下や不快感が強い場合、目を閉じる頻度が増えることがあります。特に明るい場所で目を細めることが見られます。

白内障の診断方法

ペットが白内障を発症したかどうかは、動物病院での検査を通じて診断されます。以下のような検査が行われます。

視力検査

視力検査を行い、ペットが物を見る能力をチェックします。犬や猫は視覚的な反応を示すため、視力の低下を確認することができます。
眼科検査

目の中を詳細に観察し、白内障が進行しているかどうかを確認します。瞳孔の反応や目の圧力もチェックされます。
血液検査

糖尿病など、白内障を引き起こす病気がある場合は、血液検査を行い、全身の健康状態を確認します。

白内障の治療方法

白内障の治療法は、病状の進行具合や原因に応じて異なります。以下に主な治療法を紹介します。

薬物療法

初期段階の白内障には、目薬や内服薬を使用して症状の進行を遅らせることができます。ただし、薬物療法では白内障自体を治すことはできません。進行を遅らせるだけであり、あくまで補助的な治療となります。
手術療法

白内障が進行し視力に大きな影響を与えている場合、手術が考慮されます。手術では、濁った水晶体を取り除き、人工レンズを挿入することで視力を回復させることができます。手術は高い成功率を誇りますが、ペットの健康状態や年齢によって適用が決まります。
生活習慣の見直し

糖尿病などが原因で白内障が発症している場合、食事や運動による血糖管理が重要です。また、目を保護するために、外的な刺激を避けることも有効です。