2025/02/11
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は犬の重症筋無力症についてご紹介します。
重症筋無力症とは?
重症筋無力症は、神経と筋肉をつなぐ接合部(神経筋接合部)での問題が原因で起こります。
通常、神経から筋肉に信号が送られ、筋肉が動くことになりますが、この信号伝達が何らかの原因で正常に行われなくなると、筋肉はうまく動かなくなります。
アセチルコリンという物質が神経から筋肉に信号を送る役割を果たしていますが、免疫系が誤ってこのアセチルコリン受容体を攻撃し、信号がうまく伝わらなくなることが原因です。
この状態を「自己免疫性疾患」と呼びます。
主な症状
犬が重症筋無力症にかかると、次のような症状が見られることが多いです。
歩行困難
特に後肢(後ろ足)が力を失い、歩きづらくなります。
筋肉の脱力
手足や顔の筋肉が力を入れにくく、よく寝転んでいることが多くなります。
食欲不振
食べ物を食べる際に舌や口の筋肉を使いにくくなるため、食べるのが難しくなります。
顔の表情の変化
まぶたが下がったり、顔の筋肉の力が抜けることがあります。
呼吸困難
重症になると、呼吸を司る筋肉も弱くなり、呼吸が浅くなることがあります。
診断方法
重症筋無力症を診断するためには、いくつかの検査を行います。
血液検査
アセチルコリン受容体に対する抗体の有無を確認します。
神経学的検査
犬の運動機能や反応をチェックし、筋肉の動きに問題がないかを調べます。
電気生理学的検査
神経と筋肉の伝達機能を調べるため、神経の電気的な反応を測定します。
筋肉の生検
筋肉の一部を取り、顕微鏡で調べることもあります。
治療法
重症筋無力症の治療は、症状を軽減し、犬が快適に過ごせるようにすることが目的です。完治を目指す治療法は難しいですが、以下の方法が有効です。
免疫抑制剤
免疫系が過剰に働かないようにするための薬を使います。これにより、自己免疫反応を抑えます。
抗コリンエステラーゼ薬
アセチルコリンの働きを強化する薬で、筋肉の動きを改善します。
ステロイド薬
免疫系の過剰反応を抑えるために使用することがありますが、副作用の管理が重要です。
支持療法
呼吸が弱くなったり、食事が取れなくなったりした場合には、酸素補助や経管栄養を行うこともあります。
生活上の注意
重症筋無力症を持つ犬は、日常生活でいくつかの注意が必要です。飼い主としては、以下のことに気をつけるとよいでしょう。
激しい運動を避ける
疲れやすいため、過度な運動は避け、犬の体調に合わせた適度な運動を心がけましょう。
食事の管理
食事を与える際には、食べやすい形にしたり、サポートが必要な場合は経管栄養を検討することもあります。
呼吸管理
重症の場合は、呼吸が浅くなることがあるため、呼吸状態を常にチェックする必要があります。
ストレスを避ける
ストレスが病状を悪化させる可能性があるため、落ち着いた環境で過ごすことが大切です。
予後
重症筋無力症の予後は、治療が早期に行われるほど良好です。適切な治療を行うことで、犬は比較的安定した生活を送ることができます。
しかし、完全に治癒するわけではないため、定期的な診察や治療の継続が必要です。また、症状が悪化することもあるため、早期発見と治療が非常に重要です。
まとめ
重症筋無力症は犬にとって負担の大きい病気ですが、早期に診断し、適切な治療を行うことで症状を緩和し、日常生活を快適に過ごすことができます。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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