けいこくの森動物病院
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けいこくの森動物病院

犬の皮膚にしこり…皮膚組織球腫について

こんにちは!

世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。

犬の皮膚にできる腫瘍に中に組織球腫と呼ばれる腫瘍があります。

犬の組織球腫とは?

犬の組織球腫(そしききゅうしゅ)は、若い犬に多く見られる皮膚腫瘍の一種です。この腫瘍は良性であり、通常は自然に治癒することが多いという腫瘍には珍しい性質を持ちます。そのため、飼い主の方々が過度に心配する必要はありませんが、他の皮膚疾患や悪性腫瘍との区別が重要です。この記事では、組織球腫の特徴、症状、原因、診断方法、治療法について詳しく解説します。

組織球腫の特徴

組織球腫は、皮膚の免疫細胞である”組織球”が異常に増殖してできる腫瘍です。この腫瘍は、特に以下のような特徴を持っています。

  • 発生年齢:主に生後3か月から2歳程度までの若い犬に発生します。

  • 発生部位:顔、耳、四肢、体幹などに好発します。特に、頭部に見られることが多いです。

  • 見た目:直径数ミリから数センチ程度の丸いしこりで、赤みを帯びていることが多いです。表面は滑らかで、時には潰瘍を伴うこともあります。

  • 進行:良性であり、多くの場合は数週間から数か月で自然に退縮します。

組織球腫の症状

以下のような症状が見られることがあります:

  • しこりの出現:突然皮膚に小さなしこりが現れる。

  • 炎症:しこりが赤くなったり、周囲が腫れることがあります。

  • 潰瘍形成:しこりの表面が傷ついて潰瘍になることもあります。

飼い主が気付くのは、触ってみて初めて分かることが多いですが、見た目に目立つため、早期に発見されることが多いです。

原因

組織球腫の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下のような要因が関連していると考えられています:

  1. 免疫反応:若い犬の免疫系が未熟であるため、過剰な免疫反応が引き金となる可能性があります。

  2. 遺伝的要因:特定の犬種(例:ボクサー、ブルドッグ、ラブラドールレトリバーなど)において発症リスクが高いとされています。

  3. 環境要因:皮膚の刺激や傷が誘因となることもあります。

診断方法

組織球腫を確定診断するためには、動物病院での検査が必要です。以下のような方法が一般的に用いられます:

  1. 視診と触診: 獣医師がしこりの大きさ、形状、硬さなどを確認します。

  2. 細胞診: 針を使ってしこりから細胞を採取し、顕微鏡で観察します。組織球腫の特徴的な細胞構造が確認されます。

  3. 生検(組織検査):必要に応じて、しこりの一部を切り取り、病理組織学的検査を行います。他の腫瘍や皮膚疾患と区別するために重要です。

治療法

組織球腫は、通常は特別な治療を必要としない場合が多いです。しかし、以下のような状況に応じて適切な対処が行われます:

  1. 経過観察

    • 多くのケースでは、自然治癒を待つことが推奨されます。

    • 2–3か月間で消失しない場合や、症状が悪化する場合には再診が必要です。

  2. 外科的切除

    • 美容的な理由や、しこりが感染した場合に実施されることがあります。

 

組織球腫と他の疾患との違い

組織球腫は良性ですが、以下の疾患と区別することが重要です:

  • 悪性リンパ腫

  • 皮膚の肥満細胞腫

  • 感染性膿瘍

  • 皮膚炎

など

これらの疾患は、治療法や進行の仕方が異なるため、確実な診断が求められます。

まとめ

犬の組織球腫は、若い犬に発生しやすい良性の皮膚腫瘍であり、通常は自然に治癒します。しかし、他の疾患と区別するためには、動物病院での診断が重要です。早期発見と適切な対処を行うことで、愛犬の健康を守ることができます。愛犬の皮膚に異変を感じた場合は、速やかに獣医師に相談しましょう。

 

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