2025/01/02
こんにちは!世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。
猫ちゃんが口を気にしていたり、ごはんを食べたそうにはするけれど食べない場合、口の痛みを起こす病気が隠れていることがあります。
その中に、破歯細胞性吸収病巣と呼ばれる病気が知られています。今回は、この病気について症状・治療法などを解説していきます。
猫の破歯細胞性吸収病巣とは?
猫の歯に関する病気の中でも比較的よく見られるものに、「破歯細胞性吸収病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)」があります。これは、歯が溶けてしまう病気で、英語では “Feline Tooth Resorption” とも呼ばれます。
破歯細胞性吸収病巣は、歯の表面や内部が破歯細胞によって吸収され、徐々に溶けてしまう病気です。通常、猫の奥歯(臼歯)や犬歯に多く発生します。この病気は進行性で、放置すると歯が崩壊し、強い痛みや炎症を引き起こすことがあります。
原因
この病気の明確な原因はまだ解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。
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遺伝的要因:品種によって発生率に差があり、特に純血種の猫に多いとされています。
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慢性炎症:歯周病や歯肉炎による炎症が、破歯細胞の活性化を促す可能性があります。
症状
初期段階では目に見える症状がほとんどなく、気付きにくいことが多いですが、病気が進行すると以下のような症状が現れます。
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食欲不振や食事の際の痛み
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よだれの増加や口臭の悪化
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口を触られるのを嫌がる
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歯茎の腫れや出血
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歯の表面が赤く変色している
これらの症状を放置すると、歯が折れたり抜けたりすることもあります。また、食欲不振により体重が減少していきます。
診断方法
診断には、以下の手順が用いられます。
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視診と触診:獣医師が口腔内を観察し、異常がないかを確認します。
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X線検査:レントゲンで歯の内部構造を確認し、目に見えない吸収病変の有無を調べます。通常、口腔内のX線検査は全身麻酔下で行われます。
治療法
破歯細胞性吸収病巣は自然に治ることはなく、適切な治療が必要です。以下のような治療法が一般的です。
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抜歯:重度の吸収病巣が見られる場合、抜歯が最も効果的な治療法です。痛みや炎症を取り除くために、問題のある歯を除去します。
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充填処置:初期段階であれば、吸収部位を補填して保護する処置が行われることもありますが、再発することが多く、選択されることは稀です。
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疼痛管理:鎮痛剤や抗炎症薬を使用し、痛みや炎症を抑えるケアが行われることがあります。
予防方法
破歯細胞性吸収病巣を防ぐ方法はありません。早期発見・早期治療が重要です。定期的な歯科検診が薦められます。
年に1~2回は動物病院で歯のチェックを受けましょう。
まとめ
猫の破歯細胞性吸収病巣は、発見が遅れると痛みや食事困難につながる深刻な病気です。しかし、早期発見と適切な治療によって、猫の生活の質を維持することが可能です。愛猫の健康を守るために、定期的な検診とデンタルケアを習慣化しましょう。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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