けいこくの森動物病院
TEL 03-3704-1014

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〒158-0082 東京都世田谷区等々力1-34-18

けいこくの森動物病院

大型犬でおなかが膨張して苦しそう……胃拡張捻転症候群(GDV)かも⁉

こんにちは!

世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。

胃拡張捻転症候群(GDV)は、犬の命に関わる緊急性の高い病気です。

この病気では、胃が異常に膨らんだり(拡張)、ねじれる(捻転)ことによって、血流や消化機能が阻害され、迅速な対応が求められます。

特に大型犬深胸犬種に多い病気ですが、どの犬でも発症のリスクはあります。

今回は、胃拡張捻転症候群の原因、症状、治療、予防について解説します。

 

胃拡張捻転症候群とは?

胃拡張捻転症候群(Gastric Dilatation and Volvulus、GDV)は、胃の異常な膨張(ガスや液体が溜まること)と、その結果として胃がねじれることによって発生します。

この状態では、胃内のガスや食べ物が排出されなくなり、周囲の血管や臓器が圧迫され、全身の循環障害が起きます。

放置すると、ショック多臓器不全を引き起こし、短時間で命を失うこともあります。

 

胃拡張捻転の主な原因

胃拡張捻転の正確な原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

食事と飲水

一度に大量の食事や水を摂取することで、胃が膨らみやすくなります。

特に消化の遅いドライフードが原因になることがあります。

運動

食後すぐに激しい運動をすることで、胃が揺さぶられ、ねじれやすくなります。

遺伝的要因

胸が深い犬種(例:グレートデーン、セントバーナード、ジャーマンシェパード)で発症率が高く、遺伝的な要素が関係していると考えられます。

ストレス

ストレスによる胃の運動障害消化不良が原因となる場合もあります。

 

胃拡張捻転の症状

胃拡張捻転は進行が非常に速い病気であり、以下の症状が見られた場合はすぐに動物病院を受診する必要があります。

初期症状

おなかの膨張:特に左側のお腹が急に膨れる。

嘔吐しようとするが何も出ない(空嘔吐

落ち着きがない:苦しそうに歩き回る。

よだれを垂らす:胃の圧迫で唾液が多くなる。

病状が進行した場合

呼吸困難:胃が肺を圧迫することで呼吸が浅くなる。

ショック症状:ぐったりして動けなくなる、歯茎が白くなる。

心拍数の上昇:循環障害により心拍数が異常に速くなる。

 

胃拡張捻転の診断

動物病院では、以下の検査や観察によって胃拡張捻転を診断します。

身体検査

腹部の膨張や痛みを確認します。

X線検査

胃が異常に膨らみ、ねじれている様子を確認します。

血液検査

全身状態ショックの程度を評価します。

 

胃拡張捻転の治療

胃拡張捻転の治療は緊急対応が必要であり、以下のような手順が一般的です。

ショックの管理

ショック状態を緩和するために、点滴で体液を補充します。

胃の減圧

胃に溜まったガスや液体を抜くために、鼻からチューブを挿入したり、針を刺してガスを排出します。

緊急手術

捻転した胃を元の位置に戻し、必要に応じて胃を固定する手術(胃固定術)を行います。

壊死した胃や脾臓があれば切除します。

 

胃拡張捻転の予後

早期に適切な治療を受けた場合、多くの犬は回復します。ただし、再発のリスクがあるため、予防が重要です。

手術後は経過観察を続け、食事や生活習慣の改善を心がけましょう。

 

胃拡張捻転の予防方法

食事の工夫

一度に大量の食事を与えず、1日2~3回に分けて与えます。

食後すぐの激しい運動を避けるようにしましょう。

早期の対応

胃の膨張を感じた場合、すぐに動物病院に連絡してください。

胃固定術の検討

胃拡張捻転を起こしやすい犬種の場合、予防的に胃固定術を行うことを相談するのも一つの方法です。

 

まとめ

胃拡張捻転症候群は、犬の命を脅かす緊急性の高い病気です。

特に大型犬や胸が深い犬種で発症リスクが高いため、日頃から予防に努め、異常を感じた際は迅速に動物病院を受診しましょう。

 

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