2024/12/25
こんにちは!世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。皮膚にしこりができていたら、腫瘍の可能性があります。その中で、肥満細胞腫という腫瘍は、特に犬や猫に多く見られる皮膚腫瘍の一つです。今回は、この病気の症状、原因、診断方法、治療法について詳しく解説します。
肥満細胞腫とは?
肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)は、肥満細胞という特殊な細胞が異常に増殖することで発生する腫瘍です。肥満細胞は主に皮膚や内臓に存在し、アレルギー反応に関与するヒスタミンなどの物質を分泌する役割があります。これらの物質は、体が外部からの刺激に反応する際に重要ですが、肥満細胞腫の場合、これらの細胞が制御不能に増殖し、腫瘍を形成します。 肥満細胞腫は犬にも猫にも見られます。また、肥満細胞腫は皮膚に現れることが多く、しばしば目に見える腫れやしこりとして確認されます。
肥満細胞腫の症状
肥満細胞腫の主な症状は、皮膚に現れる腫瘍やしこりです。以下は、肥満細胞腫によく見られる症状です。
皮膚のしこりや腫れ:犬や猫の皮膚に小さなしこりや腫れが現れることが多いです。これらのしこりは触ると柔らかかったり、時には硬くなることもあります。
色の変化:腫瘍の部分が赤くなる、または黒っぽくなることがあります。腫瘍が成長するにつれて、皮膚に色の変化が見られることがあるため、注意が必要です。
かゆみや痛み:肥満細胞腫の腫瘍は時にかゆみや痛みを伴うことがあり、動物がしきりにその部分を舐めたり、かじったりすることがあります。
潰瘍の形成:腫瘍が進行すると、皮膚が破れて潰瘍ができることもあります。潰瘍ができると、出血や膿が出ることもあり、感染症を引き起こすこともあります。
また、肥満細胞腫の腫瘍が体の内臓に広がった場合、消化器系の問題を引き起こすことがあり、食欲不振や嘔吐、下痢などの症状が現れることもあります。
肥満細胞腫の原因
肥満細胞腫の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因が関与していると考えられています。
肥満細胞腫の診断方法
肥満細胞腫の診断は、獣医師による詳細な検査によって行われます。以下の方法で診断が進められます。
触診:動物の体にしこりや腫れが見つかった場合、獣医師はその部分を触診し、腫瘍がどのような性質を持っているかを確認します。硬さや動き、周囲の組織との癒着などを調べます。
針生検:腫瘍の細胞を採取して顕微鏡で調べることで、肥満細胞腫かどうかを判断します。針生検は簡単に行うことができ、比較的痛みも少ない検査です。
組織生検:手術により摘出した腫瘍から、より詳細な分析を行う場合があります。これにより、腫瘍が悪性か良性かをより正確に判断することができます。
血液検査:全身状態を把握するために血液検査が行われることがあります。特に腫瘍が内臓に広がっている場合、血液検査によって体内の異常を確認することができます。
肥満細胞腫の治療方法
肥満細胞腫の治療法は、腫瘍の大きさ、場所、進行度などに応じて決まります。主な治療法には以下があります。
1. 外科的手術 肥満細胞腫の治療で最も一般的なのは外科的手術です。腫瘍が小さく、周囲の組織に広がっていない場合、手術で腫瘍を取り除くことができます。ただし、腫瘍が悪性で周囲に転移している場合、完全に取り切ることが難しいこともあります。
2. 放射線治療 手術で腫瘍を取り切れなかった場合や、転移している場合には、放射線治療が行われることがあります。放射線治療は、腫瘍を縮小させたり、進行を抑える効果があります。
3. 化学療法 化学療法は、悪性の肥満細胞腫が転移している場合や、再発のリスクがある場合に行われることがあります。化学療法は、全身に影響を与えるため副作用があることがありますが、転移を防ぐために重要な治療法です。
まとめ
肥満細胞腫は犬や猫に多く見られる皮膚の腫瘍で、適切に診断し、治療することで、治癒する可能性が高い病気です。腫瘍の早期発見が大切であり、動物に異常が見られた場合は、すぐに獣医師に相談することをお勧めします。動物の健康を守るために、定期的な健康チェックや、日々の観察が重要です。 肥満細胞腫についての理解を深め、動物が健康に過ごせるように、適切なケアを行いましょう。
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