2020/12/30
今回は去勢手術についてお話しいたします。
去勢手術とは、男の子の精巣を摘出する手術のことです。
メリットとして精巣自体の病気(腫瘍など)はもちろん、男性ホルモン由来の腫瘍(肛門周囲の腫瘍など)やお尻周りのヘルニアの予防が挙げられます。
どの病気も治療として手術が第一選択になりますが、どれも手術が大変な病気になります。
逆にデメリットは女の子の避妊手術と同じで、太りやすくなります。
ただし、このデメリットは食事管理や運動でケアできるものなので、メリットの方が十分大きいです。
二つの袋に精巣がちゃんとあれば、手術自体は難しくはないですが、たまに片方しかない、両方精巣がない子がいます。
潜在精巣と言います。
元々犬も猫も生まれた時は腹腔内に精巣があります。これが成長とともに陰嚢内に降りてきますが、その過程で内股のところでとまってしまい、陰嚢まで降りなかったり、
お腹の中から全く降りてこなかったりすることで、そういう状態が起こります。
先日ロキちゃんの去勢手術を行いました。
ロキちゃんも片側が皮下でとまってしまうタイプの潜在精巣でした。
部位によっては術創が二つになることがありますが、
幸い傷口も1箇所で行うことができ、先日の術後の再診で可愛らしい元気な姿を見せてくれました。
当院の去勢手術は抜糸も必要ありません。
潜在精巣の犬は、精巣腫瘍のリスクが約14倍高くなるとの報告があります。
5歳を超えてくると精巣腫瘍の発生率が上がるため、早めの手術をお勧めしています。
詳しくは当院までご相談くださいませ。