けいこくの森動物病院
TEL 03-3704-1014

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〒158-0082 東京都世田谷区等々力1-34-18

けいこくの森動物病院

運動後にすぐ疲れてしまう…心臓病のサインかも

皆さんこんにちは!

けいこくの森動物病院です。

皆さんのお家のわんちゃん・ねこちゃんが、運動後にすぐ疲れてしまうことはありませんか?そのようなときは心臓にトラブルを抱えている場合もあります。

今回は心臓の病気である動脈管開存症についてご説明します。

 

動脈管開存症とは?

動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう、PDA: Patent Ductus Arteriosus)は、主に犬や猫の先天性心疾患の一つです。通常、胎児期に心臓と肺を結ぶ「動脈管」という血管が出生後に閉じる仕組みがあります。しかし、動脈管開存症では、この血管が出生後も閉じずに残ってしまいます。これにより、血液が通常の流れとは異なる経路を通り、心臓や肺に負担がかかります。

動脈管の役割と問題点

胎児期の役割

胎児はまだ肺で呼吸をしていないため、血液は肺を通る必要がありません。このため、動脈管が肺動脈と大動脈をつなぎ、酸素を多く含む血液を効率的に全身へ送る役割を果たしています。

出生後の変化

出生後、肺が機能し始めると、動脈管は役目を終えます。その後、自然に閉じていき、痕跡だけが残ります。しかし、動脈管開存症では、この閉じるはずの血管がそのまま開いた状態で残るため、血液が逆流し、心臓や肺に余計な負担を与えてしまいます。

動脈管開存症の症状

動脈管開存症の症状は、進行度や動脈管の大きさによって異なります。小型のPDAでは無症状の場合もありますが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

1. 咳や呼吸困難

肺に過剰な血液が流れるため、咳や息切れ、呼吸困難を引き起こすことがあります。

2. 疲れやすさ

散歩や遊び中にすぐに疲れる、運動を嫌がるといった行動が見られることがあります。

3. 成長不良

重症の場合、十分に栄養が行き渡らず、体の発育が遅れることがあります。

4. 心雑音

動脈管開存症では独特な「連続性の雑音」が心臓から聞こえます。これは動物病院での聴診で発見されることが多いです。

原因とリスク

原因

動脈管開存症は先天性の異常であり、遺伝的な要因が考えられています。一部の犬種では発症リスクが高いとされています。

リスクが高い犬種

トイプードル

ポメラニアン

チワワ

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

シェルティー

猫では犬ほど発症率は高くありませんが、個体差があります。

診断方法

動脈管開存症は、通常以下の方法で診断されます。

1. 聴診

心臓の雑音を聴診器で確認します。動脈管開存症特有の連続音がある場合、疑われます。

2. 胸部レントゲン

心臓の肥大や肺への血液の流入過剰を確認します。

3. 心エコー検査

動脈管の形状や血流を直接確認するための検査です。診断の確定に用いられます。

治療法

動脈管開存症は放置すると心不全や肺高血圧症を引き起こし、命に関わる可能性があるため、早期治療が重要です。

1. 外科的手術

動脈管を直接縛る手術が一般的です。成功率が高く、多くの症例で完全な治癒が期待できます。

2. カテーテル治療

カテーテルを用いて動脈管を閉じる治療法もあります。体への負担が少ないため、近年はこの方法を選択する病院も増えています。

動脈管開存症の予後

早期に適切な治療を受けた場合、動脈管開存症はほぼ完全に治癒することが期待できます。手術後は元気に日常生活を送れるようになるケースがほとんどです。ただし、治療が遅れると心臓や肺への負担が大きくなり、回復が難しくなることもあるため、早めの診断と治療が重要です。

動物病院でできること

動脈管開存症の早期発見のためには、定期的な健康診断が欠かせません。当院では、心臓の聴診やレントゲン検査、心エコー検査を行い、正確な診断を提供しています。また、外科手術や専門施設との連携も可能です。心臓病が疑われる症状が見られた場合は、すぐにご相談ください。

まとめ

動脈管開存症は放置すると命に関わる可能性がありますが、早期に診断し適切な治療を受けることで、完全な回復が見込める病気です。愛犬や愛猫の健康を守るため、普段の様子を注意深く観察し、異変を感じたら早めに動物病院を受診してください。ご不明な点がございましたら、いつでも当院にご相談ください。

 

 

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