2024/12/07
こんにちは!
世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です🌳
わんちゃんやねこちゃんがかかる寄生虫性疾患のひとつに「コクシジウム症」があります。
特に子犬や子猫で感染リスクが高く、適切な対処を怠ると健康に重大な影響を及ぼすことがあります。
今回は、コクシジウム症の原因、症状、治療法、そして予防について解説します。
コクシジウム症とは?
コクシジウム症は、コクシジウムという単細胞の寄生虫によって引き起こされる病気です。
この寄生虫は腸管に感染し、消化器症状を引き起こします。
イソスポラ属(Isospora)は犬や猫に感染する代表的なコクシジウムで、環境中に排泄されたオーシスト(卵)が感染源となります。
感染経路
コクシジウム症は主に以下の経路で感染します。
オーシストの摂取
• 感染動物の糞便に排泄されたオーシストを食べ物や水とともに摂取することで感染します。
• 汚染された環境やトイレ、食器から感染が広がることがあります。
捕食感染
• 感染した小動物(ネズミなど)を捕食することで、コクシジウムが体内に入る場合もあります(特に猫で多い)。
母子感染
• 妊娠中や授乳中の母犬・母猫から子犬・子猫に感染することがあります。
症状
コクシジウム症は感染の程度や動物の年齢、免疫力によって症状が異なります。
軽度の場合
• 軽い下痢
• 元気消失
重度の場合
• 水様性下痢:血や粘液が混ざることがあります。
• 脱水:下痢が続くことで体内の水分が失われます。
• 食欲不振:ほとんど食べなくなります。
• 体重減少:特に子犬や子猫では急激に体重が減ることがあります。
• 嘔吐:腸管の炎症がひどい場合に見られることがあります。
子犬・子猫の場合
免疫力が弱い子犬や子猫では、重篤な症状を引き起こし、場合によっては命に関わることもあります。
診断方法
コクシジウム症を疑う場合、以下の方法で診断が行われます。
糞便検査
• 糞便中のオーシストを顕微鏡で確認します。これは最も一般的な診断方法です。
症状の観察
• 動物の年齢、症状の程度、生活環境を総合的に考慮します。
治療法
コクシジウム症の治療は、早期に適切な対応を行うことが重要です。
抗コクシジウム薬の投与
• コクシジウムを駆除するための薬が使用されます。一般的にはサルファ剤やその他の抗原虫薬が処方されます。
• 獣医師の指導のもと、決められた期間しっかり投与することが重要です。
支持療法
• 脱水症状の改善:点滴や電解質補充で体内の水分バランスを整えます。
• 栄養サポート:消化に優しいフードを与え、体力の回復を助けます。
予防方法
コクシジウム症は、適切な予防策を取ることで感染リスクを大きく減らすことができます。
清潔な飼育環境
• トイレや食器を毎日洗浄し、感染源となる糞便を速やかに処理します。
定期的な糞便検査
• 特に子犬や子猫の場合、健康診断の一環として糞便検査を定期的に行うことをおすすめします。
捕食防止
• 猫や犬がネズミや小動物を捕食しないように管理します。
母犬・母猫の健康管理
• 妊娠中の母犬・母猫を定期的に検査し、感染を防ぐための処置を行います。
人間への影響
コクシジウム症は一般的に人間には感染しませんが、動物の糞便を扱う際には手袋を使用し、しっかり手を洗うなどの衛生管理を徹底しましょう。
まとめ
コクシジウム症は、特に子犬や子猫で注意が必要な寄生虫性疾患です。
下痢や体重減少などの症状が見られた場合は早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けましょう。
また、清潔な環境を維持し、定期的な健康チェックを行うことで、大切なわんちゃんねこちゃんの健康を守ることができます。
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