2024/12/06
こんにちは！
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は、わんちゃんの胃拡張（胃捻転）についてご紹介します。
ゴールデン・レトリーバーは、その穏やかで愛情深い性格から、多くの家庭で親しまれている犬種です。しかし、大型犬特有の健康問題があることを忘れてはいけません。特に、食後にぐったりと元気がなくなるような症状が見られる場合、重大な病気の兆候かもしれません。今回は、胃拡張（胃捻転）について詳しく解説し、その予防法と対処法を紹介します。
1. 胃拡張とは？
胃拡張（胃捻転）は、大型犬に多く見られる、命に関わる可能性がある病気です。胃が膨張してガスや食物が詰まり、さらにその胃がねじれて血流が遮断されることによって、組織が壊死することがあります。特に、ゴールデン・レトリーバーのような大型犬や深胸型の犬種は、胃拡張にかかりやすい傾向にあります。
胃拡張が起こると、発症から数時間以内に治療しないと命を落とすこともあります。そのため、飼い主は症状を見逃さないように注意深く観察し、早期に病院を受診することが重要です。
2. 胃拡張の症状
胃拡張の症状は急に現れることが多いため、食後に元気を失ったり、異常を感じた場合はすぐに対応することが大切です。以下のような症状が見られた場合、胃拡張の可能性を疑うべきです：
- 食後のぐったり感：食事後に急に元気をなくし、ぐったりとして動かない。
- お腹が膨らむ：胃が膨らむことでお腹が膨張して見えることがあります。
- 頻繁な嘔吐：吐きたくても嘔吐ができない、あるいは何も出ない状態が続くことがあります。
- 不安定な呼吸：呼吸が速く、浅くなることがあります。苦しんでいるような様子が見られる場合も。
- 落ち着きがない：歩き回ったり、座ったり、寝転がったりするなど、安静にできない様子が見られます。
これらの症状が見られた場合、速やかに動物病院に連れて行きましょう。
3. 胃拡張の原因
胃拡張を引き起こす原因はさまざまですが、特に以下のような要因が挙げられます：
- 食事の量と速度：大型犬は一度に大量の食事を摂る傾向があり、これが胃に過剰な負担をかけて膨張を引き起こす原因となります。特に食べるのが速い犬は注意が必要です。
- 食後の運動：食後すぐに激しい運動をすることで、胃が膨張しやすくなります。食事後には少なくとも1〜2時間は安静にしていることが重要です。
- ストレスや興奮：食事の際やその前後に犬がストレスを感じると、胃に負担をかけることがあります。環境の変化や騒音、大きな興奮が影響を与えることがあります。
- 遺伝的な要因：ゴールデン・レトリーバーなどの大型犬は、胃拡張を引き起こしやすい体質を持っています。特に深い胸を持つ犬種はリスクが高いです。
4. 胃拡張の予防法
胃拡張は予防が可能な病気です。日々の生活習慣を見直すことで、リスクを大きく減らすことができます。以下の予防法を実践して、愛犬の健康を守りましょう。
- 食事の回数を増やす：一度に大量に食べるのではなく、1日2回や3回に分けて食事を与えます。これにより胃にかかる負担を軽減できます。
- 食事のペースを遅くする：食べるスピードが速い犬には、専用の食器を使うことで食べるペースを遅くすることができます。また、フードを小分けにして与えることも有効です。
- 食後の安静を保つ：食事後は最低でも1〜2時間、激しい運動を避けるようにしましょう。食後すぐに遊んだり走ったりしないように気をつけましょう。
- ストレス管理：犬が食事中に安心して食べられる環境を整え、ストレスを減らすことが予防につながります。静かな場所で食事を与え、興奮やストレスを避けましょう。
5. 胃拡張の治療法
胃拡張が発症した場合、すぐに動物病院で診察を受けることが必要です。診断は、X線や超音波検査で確認することが一般的です。胃拡張が疑われる場合、早急にガスを抜く処置を行うことが求められます。
胃がねじれてしまっている場合、外科的手術で胃を元の位置に戻すことが必要になります。手術が早ければ、回復の可能性は高いですが、治療が遅れると胃の壊死やショック症状を引き起こし、命に関わることもあります。発症後は時間との勝負です。
6. まとめ
ゴールデン・レトリーバーは、元気で愛される犬種ですが、食後にぐったりする症状が見られた場合、胃拡張の可能性を考えなければなりません。大型犬は特に胃拡張のリスクが高いため、食事の管理や生活習慣の改善が大切です。予防法を実践することで、胃拡張を防ぎ、愛犬の健康を守ることができます。
食後の異常を見逃さず、早期に対処することで、命を守ることができるかもしれません。愛犬のために、今日からできる予防策を取り入れましょう。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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