けいこくの森動物病院
TEL 03-3704-1014

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パグのフガフガした呼吸・・・それって病気かも?

こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

今回はパグなどの短頭種にまつわるお話です。

パグはその愛らしい顔と個性的な外見で多くの人々に愛されている犬種です。しかし、彼らの特有の顔立ちには、飼い主が気をつけるべき健康上の問題が潜んでいます。その中でも「短頭種気道症候群(BOAS: Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome)」は、特に重要な病気です。この記事では、パグが抱えがちなこの病気の原因、症状、予防方法について詳しく解説します。

1. 短頭種気道症候群(BOAS)とは?

短頭種気道症候群(BOAS)は、短頭犬種に特有の呼吸器の疾患で、顔が短く、鼻が詰まっていることによって気道が狭くなり、呼吸が困難になる病気です。パグをはじめとする短頭種犬(ブルドッグ、シーズー、フレンチブルドッグなど)は、この症候群にかかりやすいとされています。

この病気は、犬の顔の構造が原因で起こります。短い鼻、押しつぶされたような顔の形状、柔らかすぎる軟口蓋(口蓋の後ろにある弾力性のある部分)などが、気道を圧迫し、呼吸の効率を低下させます。特に暑い日や運動後、ストレスのかかる状況下ではその症状が顕著になります。

2. BOASの症状

BOASの症状はさまざまですが、主に以下のようなものがあります。

  • 呼吸困難:軽度から重度までさまざまな程度で呼吸がしにくくなる。特に興奮しているときや運動後に顕著。
  • いびき:パグは特にいびきが大きい犬種として知られていますが、BOASを患っているといびきの音が大きく、異常に感じることがあります。
  • 鼻水や口呼吸:鼻詰まりがひどくなると、通常の鼻呼吸ができず、口で息をするようになります。
  • 運動不耐性:長時間の散歩や運動で息切れを起こしやすく、元気がない、または途中で休憩をとることが増えます。
  • 青紫色の舌や歯茎:呼吸がうまくできない場合、酸素不足によって舌や歯茎が青紫色になることがあります。これは緊急の兆候であり、すぐに獣医師の診察を受けるべきです。

3. BOASの原因

BOASの主な原因は、短頭犬種特有の顔の形にあります。これには以下の要素が影響しています。

  • 短い鼻:通常、鼻の長さは気道の広さと直結しており、鼻が短いと気道が狭くなります。これにより空気の流れが妨げられます。
  • 軟口蓋過長:軟口蓋が通常よりも長いと、気道が圧迫され、呼吸が困難になります。
  • 狭い気道:これも、短頭犬種に特有の問題で、気道自体が物理的に狭くなることがあります。
  • 喉頭の異常:短頭種の犬では、喉頭(声帯周辺の構造)も通常より狭くなることがあり、これがさらに呼吸困難を引き起こします。

4. BOASの診断方法

BOASの診断には、いくつかの方法がありますが、主に以下の手順で行われます。

  • 臨床検査:獣医師は、パグの呼吸状態やいびき、運動後の状態などを観察します。これにより、BOASの可能性を疑うことができます。
  • 内視鏡検査:より詳細な診断を行うため、犬の気道内をカメラで観察する内視鏡検査が行われることがあります。
  • X線検査:気道の構造や異常を確認するために、レントゲン検査を行うこともあります。

5. BOASの治療方法

BOASの治療は、症状の重さや犬の状態によって異なります。軽度の場合は生活環境の改善や体重管理、運動制限などで症状が緩和することがありますが、重度の場合は手術が必要です。

  • 体重管理:肥満はBOASを悪化させる要因となるため、適切な体重管理が重要です。
  • 手術:気道を広げるための外科的処置が行われることがあります。たとえば、軟口蓋の切除手術や、喉頭の改善手術などがあります。これらの手術は呼吸の改善に効果がありますが、全ての症例に対応できるわけではありません。

6. BOASの予防方法

BOASの予防には、遺伝的要因を完全に回避することは難しいですが、いくつかの予防策があります。

  • 繁殖選定:繁殖時に、BOASを患っていない健康な個体を選ぶことが最も効果的です。特に、顔の形状が極端に短い犬はBOASのリスクが高いため、遺伝的なリスクを減らすための選択が重要です。
  • 適切な管理:暑い季節に散歩を避けたり、過度な運動を避けることで、呼吸にかかる負担を軽減することができます。
  • 健康チェック:定期的に獣医師の診察を受け、呼吸に関する問題がないかを確認することが大切です。

7. まとめ

パグはその愛らしい外見で多くの人に親しまれていますが、短頭種気道症候群(BOAS)という呼吸器の疾患には十分な注意が必要です。飼い主としては、BOASの症状を早期に発見し、適切な管理と治療を行うことが、愛犬の健康を守るために欠かせません。

もしパグが呼吸に関する問題を抱えている場合は、早期に獣医師に相談し、専門的な診断と治療を受けることが重要です。また、BOASのリスクを減らすためには、健康な繁殖と生活環境の管理が不可欠です。

当院では、パグをはじめとする短頭種犬の健康管理にも力を入れており、呼吸器のチェックや予防に関するアドバイスを行っています。お気軽にご相談ください。

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