2024/11/09
皆さんこんにちは!世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です。
加齢に伴って発生する病気のひとつに前立腺肥大症があります。
特に犬でよく見られるこの病気は、泌尿器系や消化器系に影響を与え、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。
今回は、前立腺肥大症の原因や症状、治療法について解説します。
前立腺肥大症とは?
前立腺肥大症は、副生殖腺の一つである前立腺が腫れて肥大する病気です。
前立腺は、膀胱の近くに位置する器官で、精液の一部を生成する役割を持っています。
健康な場合は小さなサイズですが、ホルモンの影響で肥大すると周囲の臓器に圧力がかかり症状を引き起こします。
犬と猫の違い
•犬:特に未去勢のオス犬でよく見られ、加齢によるホルモンの変化が原因とされています。
•猫:猫でも発症しますが、犬ほど一般的ではなく、通常は去勢手術後にはあまり見られません。
原因
前立腺肥大症の主な原因は、ホルモンバランスの乱れです。
オスの体内で生成されるテストステロン(男性ホルモン)の作用により、前立腺が刺激を受けて肥大化する傾向があります。
特に、加齢とともにホルモンの影響が増し、前立腺が大きくなってしまいます。
去勢手術をしていない犬の方が前立腺肥大症になる可能性があります。
症状
前立腺肥大症は、前立腺が肥大することで周囲の臓器を圧迫し、次のような症状を引き起こします。
排尿困難
前立腺が膀胱や尿道を圧迫することで、尿が出にくくなることがあります。
頻尿や尿漏れ、排尿時の痛みなどが見られます。
血尿
尿に血が混じることがあります。
これは、前立腺が肥大することで血管が破れ、血液が尿に混じるためです。
排便困難
肥大した前立腺が直腸を圧迫することで、便秘や排便時の痛みが発生することがあります。
犬や猫が排便時にうなったり、苦しそうにする場合は要注意です。
元気消失や食欲不振
痛みや不快感から、食欲が落ち、活動量が減ることがあります。
後ろ足の痛みや歩行異常
肥大した前立腺が神経を圧迫し、後ろ足の痛みや歩行の異常を引き起こすことがあります。
診断方法
前立腺肥大症の診断には、以下の検査が行われます。
触診
獣医師が腹部や直腸を触診し、前立腺の大きさや硬さを確認します。
エコー(超音波)検査
超音波検査により、前立腺の大きさや形状、内部構造を詳しく調べます。
肥大の度合いや腫瘍の有無も確認できます。
血液検査
前立腺肥大症の影響で体内に炎症がある場合や、ホルモン値の変化が見られることがあります。
尿検査
尿に血が混じっている場合や感染症が疑われる場合、尿検査で確認します。
治療方法
前立腺肥大症の治療法は、症状の重さや病気の進行度に応じて異なります。
ホルモン治療
前立腺の肥大が軽度であれば、ホルモン治療が行われます。
テストステロンの作用を抑える薬を使用することで、前立腺の肥大を改善させます。
これにより症状が軽減され、排尿や排便の困難さが改善されることが期待されます。
去勢手術
去勢手術は、前立腺肥大症の根本的な治療法として有効です。
去勢によりテストステロンの分泌が抑えられるため、前立腺が縮小し、症状が改善することが多くあります。
抗生物質治療
前立腺肥大に感染症が併発している場合、抗生物質が使用されます。
感染症を治療することで、症状が軽減し、他の治療が進みやすくなります。
予防
前立腺肥大症を予防するためには、以下のような方法が考えられます。
早期の去勢手術
去勢手術を行うことで、前立腺肥大のリスクを低減できます。
特に、遺伝的に前立腺の病気が多い犬種には早めの去勢が推奨されます。
定期的な健康チェック
定期的な健康診断を受けることで、前立腺の異常を早期に発見することが可能です。
年に1度の検査を推奨しますが、高齢の犬や猫には半年に1度程度の健康チェックが望ましいです。
まとめ
犬や猫の前立腺肥大症は、加齢に伴うホルモンの影響で発症することが多く、排尿困難や排便困難などの不快な症状を引き起こします。
早期発見と適切な治療により、症状を和らげ、快適な生活を送るためのサポートが可能です。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。
けいこくの森動物病院 Animal Dental Office 世田谷
〒158-0082
東京都世田谷区等々力1-34-18
シュロス等々力1F
TEL:03-3704-1014
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。