2024/11/06
こんにちは!世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。
イヌの腫瘍でよく知られているものの1つとして、「脂肪腫」があります。
今回はその脂肪腫の性質、対処などを紹介していきます。
イヌの脂肪腫とは?
脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮膚の下にできる柔らかい腫瘤(しゅりゅう)で、主に脂肪細胞から成り立っています。イヌに見られる腫瘤の中では比較的よくあるもので、年齢を重ねたイヌに多く見られる良性の腫瘍です。一般的に、脂肪腫は痛みや不快感を伴うことが少なく、進行も遅いことが特徴です。しかし、サイズや位置によっては、イヌの体に負担をかけることもあるため、適切な管理が必要です。
脂肪腫の原因
脂肪腫の原因については明確には分かっていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。
- 加齢:年を重ねることで、脂肪腫の発生率が高まる傾向にあります。特に7歳以上の高齢犬に多く見られます。
- 遺伝的要因:一部の犬種には脂肪腫が発生しやすい傾向があり、ラブラドール・レトリーバーなどがその代表例です。
特徴
脂肪腫は、飼い主が愛犬を触っている時に偶然発見されることが多いです。一般的な脂肪腫の特徴は以下の通りです。
- 柔らかく、弾力のある感触:脂肪腫は柔らかいことが多く、触れると弾力があります。
- 皮膚の下に動く:脂肪腫は皮膚の下にあり、軽く押すと周囲の組織と一緒に動くことが多いです。
- 痛みを感じない:ほとんどの脂肪腫は痛みを伴わないため、触ってもイヌが嫌がることは少ないです。
- 成長が遅い:脂肪腫は通常、急速には大きくなりませんが、徐々に成長していくことがあります。
脂肪腫の診断方法
脂肪腫が見つかった場合、動物病院で正確な診断を受けることが大切です。脂肪腫と他の腫瘍や病気を区別するために、以下の診断方法が一般的に行われます。
- 触診:獣医師が腫瘤を直接触れて診察し、脂肪腫かどうかの所見を得ます。
- 細胞診(細胞診):細胞診は、細い針を使って腫瘤の中から細胞を取り出し、顕微鏡で観察する検査です。脂肪腫であれば、脂肪細胞が多く含まれていることが確認できます。
- 画像診断:必要に応じて、X線や超音波検査を行い、腫瘤のサイズや深さ、周囲の組織との関係を確認します。
脂肪腫の治療法
脂肪腫は基本的に良性の腫瘍であり、急いで治療をする必要がない場合が多いです。しかし、次のような場合には治療が考慮されます。
- 脂肪腫が大きくなり、イヌの動きを妨げる場合:脂肪腫が関節や筋肉の近くにでき、イヌが歩きにくくなることがあります。
治療法としては、以下の方法が挙げられます。
- 外科手術:脂肪腫を取り除く最も一般的な方法は手術です。麻酔下で腫瘤を切開して取り除きます。
- 経過観察:症状がない場合は、定期的に脂肪腫のサイズや状態を確認するのみで十分です。年に数回、動物病院で診察を受けることで、脂肪腫が急に大きくなったり、痛みを伴うような変化があれば対処できます。
脂肪腫の管理
脂肪腫そのものを完全に予防することは難しいですが、いくつかの管理方法があります。
- 定期的な健康診断:脂肪腫を早期に発見するために、動物病院での定期的な健康診断を受けることが推奨されます。早期発見により、適切な対策が取りやすくなります。
- 皮膚のチェック:飼い主が定期的にイヌの体を触れて、皮膚や被毛の状態を確認することも大切です。異常が見つかった場合は、すぐに獣医師に相談するようにしましょう。
まとめ
脂肪腫は、イヌにとってそれほど重大な問題にならないことが多いですが、発見した場合には定期的に動物病院で診てもらうことが大切です。脂肪腫のサイズや状態を確認し、必要に応じて治療方針を決めることが望ましいです。また、飼い主自身がイヌの体調や健康に気を配り、異常を早期に発見できるようにすることが、愛犬の健康を守るための第一歩です。
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