2024/10/17
猫は1日の大半を寝て過ごすことが多く見られますが、寝姿にふと目をやると、呼吸でやけにおなかが動いていると感じたことはありませんか?おなかだけで息をしている場合は、もしかしたら病気のサインかもしれません。
今回は猫の呼吸でおなかが動く原因や、正常と異常の見分け方、対処法などをご紹介します。
■目次
1.猫の呼吸とおなかの動きについて
2.猫の呼吸でおなかが動く一般的な原因
3.注意が必要なおなかの動きを伴う呼吸の原因
4.緊急性の高い症状と対処法
5.獣医師による診断と治療
6.予防法と日頃の注意点
7.まとめ:愛猫の呼吸の変化に注意を
猫の呼吸とおなかの動きについて
猫の正常な呼吸数は、睡眠時に1分あたり15〜25回くらい(安静時は1分間に20〜40回程度)が目安です。また、寝ている状態や安静にしているにもかかわらず呼吸数が正常値より大幅に多い場合には、「呼吸が速い」と判断します。ただし、呼吸数には個体差があるため、あくまで「目安」であるということに注意が必要です。
また、猫の正常な呼吸は鼻呼吸で、息を吸うと胸とおなかが一緒に膨らみ、息を吐くと一緒に引っ込みます。そのため、口を開けて呼吸をしている場合や、肩だけ、あるいはおなかだけで呼吸をしているなどの異常呼吸が見られる場合には、身体に何かしらの異変が起こっている可能性が考えられます。
猫の呼吸でおなかが動く一般的な原因
猫は運動後や興奮時の一時的な変化として、おなかが動くような呼吸をすることがあります。また、暑さによる体温調節を行っている際や、強いストレス、不安を感じたときなどにも、呼吸でおなかが動くことがあります。
注意が必要なおなかの動きを伴う呼吸の原因
おなかの動きを伴う速い呼吸をしている場合には、以下のような病気が潜んでいる可能性が考えられます。
・心臓病(心不全など)
・呼吸器系の疾患(気管支炎、肺炎など)
・胸水や腹水の貯留
・貧血 など
特に心臓病や肺炎が原因でおなかの動きを伴う呼吸をしている場合、直ちに対処しなければ命に関わるケースもあるため、注意が必要です。
緊急性の高い症状と対処法
以下のような症状を伴う場合は、呼吸困難に陥っている可能性があります。緊急性が高いため、直ちに動物病院を受診することが大切です。
・口を開けて呼吸をしている
・元気がなくぐったりしている
・息が苦しそう
獣医師による診断と治療
まず問診を行い、症状の詳細を確認します。問診で得られた情報を元にある程度原因を絞ることができるケースもあるため、いつから症状がでているのか、どんなときに症状がでるのか、どんな症状がでているのかなどをあらかじめメモして持参すると、より正確に情報を伝えることができます。
問診の後は身体検査と各種検査(聴診、レントゲン、血液検査など)を行い、薬を使った治療や手術など、原因に応じた治療を行っていきます。
予防法と日頃の注意点
愛猫の健康管理のためには、ストレス軽減と快適な生活空間の提供が大切です。そのため、愛猫の居住空間は快適な温度や湿度を保ち、こまめに掃除をして清潔にしましょう。
また、運動不足もストレスにつながるため、キャットタワーやキャットウォークを設置したり、おもちゃで遊んであげたりして、日頃から適度な運動を心がけ、ストレス対策をしっかりとりましょう。
しかし、どんなにストレス対策を行っていても、すべての病気を予防できるわけではありません。そのため、なるべく早い段階で病気を発見できるように、定期的に健康診断を受けることが大切です。
まとめ:愛猫の呼吸の変化に注意を
猫がおなかだけを使って呼吸をしている場合は、うまく息ができずに苦しい状態に陥っている可能性があります。病気が原因の場合は対処が遅れると命にかかわることもあるため、動物病院で定期健診を受け、病気の早期発見・早期治療に努めましょう。
また、日頃から愛猫の呼吸数や呼吸状態を確認するクセをつけておき、万が一異常が見られた場合は早急にかかりつけ医に相談することが大切です。
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