2024/10/17
犬は、興奮しているときや暑いときなどに呼吸が速くなります。しかし、何も思い当たることがないのに呼吸が常に速い状態が続いていたら、もしかしたら病気が原因かもしれません。
特に、元気がなかったり舌が青白くなっていたりする場合は酸素が足りずに苦しい状態である可能性があるため、すぐに動物病院で適切に対処しなければ、命にかかわることもあります。
今回は、犬の呼吸が速い場合に考えられる原因や対処法などをご紹介します。
■目次
1.愛犬の異変に気づいたら
2.犬の呼吸が速くなる一般的な原因
3.注意が必要な呼吸の速さの原因
4.緊急性の高い症状と対処法
5.獣医師による診断と治療
6.予防法と日頃の注意点
7.まとめ:愛犬の呼吸の変化に注意を
愛犬の異変に気づいたら
犬の正常な呼吸数は、安静時に1分あたり20〜30回くらいが目安とされています( 大型犬の場合、1分間に15回程度)。また、運動後や興奮時ではないのに呼吸数が正常値より大幅に多い場合は、「呼吸が速い」と判断します。ただし、個体差もあるため、呼吸数が1分あたり30回を超えたら異常、というわけではないことに注意が必要です。
また、正常時は口を閉じて鼻で呼吸をします。しかし、口を開けて呼吸をしている、呼吸に合わせて音がする(ガーガー、ヒューヒューなど)、苦しそうに腹式呼吸をしているなど、異常呼吸をしている場合は、身体に何かしらの異変が起こっている可能性が考えられます。
犬の呼吸が速くなる一般的な原因
犬は人間と同じように、運動後や興奮時には一時的に呼吸数が増加します。犬は体温調節があまり得意ではないため、暑いときには唾液を蒸発させることで体温を下げようとします。そのため、息が荒くなることがあります。さらに、強いストレスや不安を感じたときにも呼吸数が速くなることもあります。
注意が必要な呼吸の速さの原因
先ほどご紹介したような原因で呼吸が速くなっている場合、落ち着けば呼吸は元の速さに戻ります。しかし、思い当たる原因がなく、呼吸が速い状態が何日も続いている場合は、以下のような問題を引き起こしている可能性が考えられます。
・心臓病(心不全など)
・呼吸器系の疾患(肺炎、気管支炎など)
・貧血
・痛み など
特に心臓病や肺炎が原因で呼吸が速くなっている場合、直ちに対処をしなければ命に関わることがあるため、早めの対応が重要です。
緊急性の高い症状と対処法
呼吸が速いだけでなく、以下のような症状が見られる場合にはうまく呼吸ができていない状態です。そのため、すぐに動物病院で適切な対処を行う必要があります。
・皮膚や舌が青白くなっている
・元気がなくぐったりしている
・首を伸ばして浅く速い呼吸をしている
・横向きになれない(ずっと伏せや座ったままの状態)
獣医師による診断と治療
まず問診を行い、症状の詳細を確認します。問診で得られた情報を元に、ある程度原因を絞ることができるケースもあるため、いつから症状がでているのか、どんなときに症状がでるのか、どんな症状がでているのかなどをあらかじめメモして持参すると、より正確に情報を伝えることができます。
問診の後は身体検査と各種検査(聴診、レントゲン、血液検査など)を行い、薬を使った治療や手術など、原因に応じた治療を行っていきます。
予防法と日頃の注意点
愛犬の健康管理のためには、なるべくストレスがかからないような生活を心がけることが大切です。適切な運動と休息を行い、飼い主様とのコミュニケーションの時間をたっぷり取るなどして、日頃からストレス対策をしっかりとりましょう。
しかし、どんなにストレス対策を行っていても、すべての病気を予防できるわけではありません。そのため、なるべく早い段階で病気を発見できるように、定期的に健康診断を受けることが大切です。
まとめ:愛犬の呼吸の変化に注意を
病気が原因で呼吸が速くなっている場合、対処が遅れると命にかかわることもあります。そのため、動物病院で定期健診を受け、病気の早期発見・早期治療に努めましょう。また、日頃から愛犬の呼吸数や呼吸状態を確認するクセをつけておき、万が一異常が見られた場合は早急にかかりつけ医に相談するようにしましょう。
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