けいこくの森動物病院
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中高齢の猫が痩せてきた?甲状腺機能亢進症かも…

こんにちは!

世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。

中高齢の猫が、食欲があるにも関わらずやせてきたり、怒りっぽくなった時、甲状腺の病気が隠れているかもしれません。

特に、猫の場合は甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう甲状腺機能亢進症がよく知られています。今回は、そんな甲状腺機能亢進症について解説します。

 

猫の甲状腺機能亢進症とは?

猫の甲状腺機能亢進症は、甲状腺という首に位置する小さな内分泌腺が過剰に働き、甲状腺ホルモンを過剰に分泌する病気です。この病気は、特に高齢の猫に多く見られ、10歳以上の猫においては最も一般的な内分泌系の疾患の一つとされています。

甲状腺ホルモンは、体の代謝をコントロールする重要なホルモンであり、過剰に分泌されると代謝が異常に高まります。その結果、体内でさまざまな異常が引き起こされ、猫の健康に深刻な影響を与えます。

 

甲状腺機能亢進症の原因

猫の甲状腺機能亢進症の多くは、甲状腺の細胞が過剰に増殖したり(過形成)1、甲状腺に良性の腫瘍ができることが原因です。この腫瘍は「腺腫」と呼ばれ、悪性ではないため直接的な癌の心配はありませんが、ホルモンの過剰分泌を引き起こします。まれなケースでは、甲状腺がんが原因で甲状腺ホルモンの過剰分泌が見られることもあります。

甲状腺機能亢進症は、人間や犬と比べて猫に多く見られる疾患であり、その原因は完全には解明されていませんが、環境要因や食事、遺伝的要因が関与していると考えられています。

 

症状

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、猫の体内では代謝が過度に活発になります。これによって、以下のような症状が現れることがあります。

  1. 体重減少:食欲が増加しているにもかかわらず、体重が減少します。これは、代謝が高まり、エネルギー消費が増加しているためです。

  2. 多食:食欲が異常に増加し、いつもより多くの食事を要求することがあります。

  3. 多飲多尿:水を大量に飲むようになり、それに伴って尿の量も増えます。

  4. 興奮性の増加:猫が以前よりも活発で、興奮しやすくなることがあります。落ち着きがなくなる、徘徊するなどの行動が見られることもあります。

  5. 嘔吐・下痢:消化器系にも影響が出て、嘔吐や下痢が見られることがあります。

  6. 被毛の変化:被毛がぼさぼさになり、ツヤを失うことがあります。また、過剰な毛づくろいが見られることもあります。

  7. 呼吸困難や心拍数の増加:心臓に負担がかかるため、呼吸が早くなる、心拍数が増加するなどの症状も見られます。心臓病を併発することもあるため、注意が必要です。

 

診断方法

甲状腺機能亢進症の診断は、血液検査が主な方法です。血液中の甲状腺ホルモン(T4)の濃度を測定し、正常範囲を超える高い値が検出された場合に甲状腺機能亢進症と診断されます。

さらに、血液検査では、他の臓器の機能(特に腎臓や肝臓)も評価されることがあり、甲状腺機能亢進症がこれらの臓器にどのような影響を与えているかも確認されます。また、場合によっては甲状腺の超音波検査や触診で腫大が確認されることもあります。

 

治療方法

猫の甲状腺機能亢進症にはいくつかの治療方法があります。それぞれの治療方法には利点と欠点があるため、飼い主と獣医師が協力して最適な治療を選ぶことが重要です。

  1. 薬物療法:抗甲状腺薬を使用して、甲状腺ホルモンの生成を抑制します。薬は通常、経口投与され、長期間の投与が必要です。薬物療法は比較的安全で、手軽な治療法ですが、猫が薬を飲みたがらない場合や、長期的な投与による副作用が問題となることがあります。

  2. 手術:甲状腺の一部または全体を外科的に除去する方法です。この方法も根治的な治療法となりますが、高齢の猫では手術のリスクが高くなる場合があります。

  3. 特別食:低ヨウ素食を与えることで、甲状腺ホルモンの生成を抑える方法です。この方法は手軽で、食事療法だけで管理できるケースもありますが、猫が他の食物を摂取しないように厳密な管理が必要です。

 

猫の甲状腺機能亢進症の予後

適切な治療を受けることで、猫の甲状腺機能亢進症は良好な管理が可能です。ただし、薬物療法や食事療法は長期的な管理が必要となるため、飼い主の継続的なケアが求められます。治療が遅れると、心臓病や高血圧といった合併症が進行するリスクが高まるため、早期発見と早期治療が重要です。

 

まとめ

猫の甲状腺機能亢進症は、高齢の猫に多く見られる病気ですが、適切な治療を受けることで健康を維持することが可能です。もし、愛猫が体重減少や多食、多飲多尿、興奮しやすいなどの症状を見せた場合、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。定期的な健康診断も、甲状腺機能亢進症を早期に発見し、愛猫の長期的な健康を守るための重要な手段となります。

 

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