2024/09/20
こんにちは!
世田谷区等々力、けいこくの森動物病院です🌳
犬や猫が目をショボショボさせていたり、涙を流したりする様子を見たことはありませんか?そんなとき、飼い主の方は心配になることでしょう。特に「角膜潰瘍」という病気は、犬や猫にとって非常に深刻な問題になることがあります。この記事では、角膜潰瘍の原因、症状、診断方法、治療法、そして予防策について詳しく解説します。
1. 角膜潰瘍とは?
角膜潰瘍は、眼球の表面を覆う透明な膜である角膜に傷がつき、潰瘍(ただれた状態)になることを指します。犬や猫は、さまざまな原因によって角膜潰瘍を引き起こすことがあります。これは痛みを伴うだけでなく、放置すると視力の喪失や失明の原因にもなりかねません。
2. 原因
角膜潰瘍の原因は多岐にわたります。以下にいくつかの主な原因を挙げます。
2.1 外的要因
外的要因としては、外傷や異物の侵入が挙げられます。他の動物との争い、木の枝、石などの外的な刺激が角膜に傷をつけることがあります。また、砂やほこり、毛などの異物が目に入ることで、角膜が傷つくこともあります。
2.2 感染症
感染症も重要な原因です。特に犬の角膜潰瘍は、細菌感染が大きな要因とされています。一部のウイルス(例:ヘルペスウイルス)は、角膜に影響を与えることがあります。
2.3 その他の疾患
涙の分泌不足や角膜の異常も角膜潰瘍を引き起こす要因です。ドライアイは涙が不足するため、潰瘍を引き起こすことがあります。また、角膜自体の構造に異常がある場合も、潰瘍のリスクが高まります。
3. 症状
角膜潰瘍の症状はさまざまですが、以下のようなものが一般的です。
- 目のショボショボ: 目を細めたり、頻繁にまばたきをする。
- 涙や目やにの増加: 普段よりも多く涙を流したり、目やにが増えることがあります。
- 赤み: 目の周りや角膜が赤くなることが見られます。
- 痛みの兆候: 飼い主が触れたときに痛がる、目を隠すなどの行動が見られます。
4. 診断
角膜潰瘍が疑われる場合、動物病院での診断が重要です。獣医師は以下の方法で診断を行います。
- 視診: 目の状態を観察し、角膜に傷や潰瘍がないか確認します。
- フルオレセイン染色: 特殊な染料を使い、傷の有無を確認します。この染料は、角膜の傷の部分にだけ反応します。
- 涙量の測定: 涙の分泌が正常かどうかを確認するために、シルマーティアテスト(涙量測定)を行うことがあります。
5. 治療
角膜潰瘍の治療は、原因や重症度によって異なりますが、一般的な治療法には以下のものがあります。
5.1 薬物療法
- 抗生物質の点眼: 細菌感染が疑われる場合、抗生物質を含む目薬が処方されます。
- 抗炎症薬: 炎症を抑えるための点眼薬が使用されることがあります。
- 涙の分泌促進剤: ドライアイが原因の場合、涙の分泌を促進する薬を使用することがあります。
5.2 手術
重症の場合や、治療に反応しない場合は、外科手術が必要となることがあります。特に、深い潰瘍や感染が広がっている場合には、手術によって傷を修復することが必要です。
6. 予防
角膜潰瘍は、飼い主が適切なケアを行うことで予防できます。以下のポイントに注意しましょう。
- 目のケア: 定期的に目の周りを清潔に保ち、異物が入らないように注意しましょう。
- ドライアイの管理: ドライアイの兆候が見られた場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
- 外部刺激の回避: 特に外で遊ぶことが多い犬猫には、目に異物が入らないように注意を払いましょう。
7. まとめ
犬や猫の角膜潰瘍は、見逃すと深刻な問題につながる可能性があります。目がショボショボしている様子を見かけたら、早めに動物病院を受診することが大切です。適切な診断と治療を受けることで、愛するペットの視力と健康を守ることができます。日々のケアと観察が、ペットの健康を維持するための鍵です。
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