ミニチュアシュナウザーの歯磨きについて

2024/08/12

こんにちは！

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。

今回はミニチュアシュナウザーの歯磨きについて紹介します！

ミニチュアシュナウザーの歯の特徴

ミニチュアシュナウザーは小型犬であり、そのため口の中のスペースが限られています。それでいて歯の本数は全ての犬種で共通の42本あるため、非常に密な状態で歯が並んでいます。このため、歯垢・歯石が付きやすく歯周病のリスクが高いと言われています。歯周病は歯だけでなく、心臓や腎臓などの全身の臓器に悪影響を及ぼす可能性があるため、予防が非常に重要です。

歯磨きの重要性

定期的な歯磨きは、歯垢や歯石の蓄積を防ぎ、歯周病の予防に効果的です。若い頃から習慣化することで、わんちゃんもストレスを感じずに受け入れてくれるようになります。わんちゃんの歯垢が硬い歯石に変わるまでの時間は、3日〜5日と言われています。定期的な麻酔下クリーニングも必要ですが、最も重要なのは日々のホームケアなのです。

歯磨きのステップ

準備:

歯ブラシの選び方: ミニチュアシュナウザーの口に合った、柔らかいブラシが最適です。指に巻いて使用するタイプの歯磨きシートや、小型犬用の歯ブラシを選びましょう。

歯磨きペースト: 人間用の歯磨き粉は使わず、必ず犬専用のものを使用します。犬専用の歯磨き粉は安全で、フレーバーも豊富です。

口周りに触られることに慣れさせましょう

まずは口に触ることに慣れてもらうことから始めましょう。歯磨きペーストやおやつを使ってご褒美をあげながら口の周りを少しずつ触っていきましょう。「口周りを触られることは、嫌なことではなく楽しいこと！おやつがもらえて嬉しいこと！」そんなふうに思ってもらうことが大切です。

口の中を触ってみましょう

唇をめくり、歯や歯茎に触れられることに慣らさせます。口を閉じたままでも構いません。優しくタッチしたらすぐにご褒美をあげましょう。

これができたら歯茎に沿って奥歯のほうへ指を入れます。回を重ねるごとに少しづつ時間を伸ばしていきます。ここでもご褒美をあげましょう。

歯磨きシートを使ってみましょう

市販のペット用歯磨きシートを指に巻き、ますは2〜3秒ずつで構わないので触ることを繰り返しましょう。

歯ブラシに慣れてもらいましょう

最初は歯ブラシを見せて、嗅がせたり、舐めさせたりして慣れさせましょう。口の中に歯ブラシを入れさせてくれたらご褒美をあげましょう。

歯を磨いてみましょう

歯ブラシには必ずお水かわんちゃん用歯磨きペーストをつけます。前歯の外側から少しづつ磨きましょう。嫌がるそぶりを見せたら無理せず歯磨きシートのステップに戻ってください。

奥歯の歯磨きにも挑戦！

上唇をめくり、徐々に奥歯(臼歯)への歯磨きをすすめます。特に上あごの1番大きい歯(第4前臼歯)は、物を噛むための歯であり、歯垢・歯石がつきやすいです。

歯磨きができるようになったら

上あごの1番大きい歯(第4前臼歯)と下あごの1番大きい歯(第1後臼歯)は、わんちゃんが唯一食べ物を噛むために使用する歯です。最初にしっかり磨きましょう。

歯磨きの頻度とタイミング

理想的には毎日歯磨きをすることが望ましいですが、最初は無理せず週に数回行いましょう。慣れるまでは「今日は左側の歯、次の日は右側の歯」というように少しづつでも構いません。歯磨きの時間は、わんちゃんがリラックスしている時や遊びの後など、ストレスの少ないタイミングを選ぶと良いでしょう。

歯磨き以外のデンタルケア

デンタルガム: 歯磨きが難しい場合、デンタルガムを利用するのも補助的ですが効果的です。噛むことで歯垢を取り除く効果があります。ただし、中には固すぎるものも市販されています。ミニチュアシュナウザーの歯は欠けやすいため硬さに関してご不安がございましたらご相談ください。
定期検診: 動物病院での定期的な歯科検診も忘れずに行いましょう。必要に応じて麻酔下での歯石除去や検診を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。