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重症筋無力症について

みなさんこんにちは!

今日ご紹介するのは重症筋無力症という自己免疫疾患についてです。

重症筋無力症(Myasthenia Gravis, MG)は、神経筋疾患の一種で、神経と筋肉の間の信号伝達が障害されることにより、筋肉の疲労と脱力を引き起こします。人では難病指定されている病気で、わんちゃんねこちゃんも発症します。

 重症筋無力症の原因

犬の重症筋無力症は、免疫系が誤って自己のアセチルコリン受容体(AChR)を攻撃することによって引き起こされる自己免疫疾患です。アセチルコリン受容体は、神経から筋肉への信号伝達に重要な役割を果たします。これが攻撃されることで、神経から筋肉への信号がうまく伝わらなくなり、筋肉の収縮が阻害されます。

症状

犬の重症筋無力症の症状は、運動後に顕著にあらわれるのが特徴です。以下のような症状が出ることがあります。

①筋力低下と疲労
短時間の運動後に急激な疲労が見られます。休息を取ることで一時的に改善しますが、再び運動するとすぐに症状が再発します。

②歩行困難
足の筋力が低下し、よろよろとした歩行になります。特に後ろ足に症状が現れやすいですが、前肢にも影響が及ぶことがあります。

③嚥下障害
食べ物や水を飲み込むのが困難になります。食べ物が誤って気管に入り、肺炎を引き起こすリスクが高まります。

④顔面の筋肉の異常
まぶたが垂れ下がる(眼瞼下垂)ことがあります。

診断方法

犬の重症筋無力症の診断には、以下の方法が用いられます。

①血液検査
アセチルコリン受容体に対する自己抗体の存在を確認し、これが陽性であれば、重症筋無力症の可能性が高いです。

②テンシロンテスト
短時間作用型の抗コリンエステラーゼ薬であるテンシロン(エドロホニウム)を注射し、筋力の一時的な改善を確認する検査です。検査結果は数分以内に出ます。

③電気生理学的検査
神経伝達の異常を検出するために、神経筋接合部の機能を評価します。

④画像診断
胸部X線やCTスキャンで胸腺の異常(腫大や腫瘍)がないか調べます。胸腺の異常が原因となり重症筋無力症を発症する可能性があります。

治療法

犬の重症筋無力症の治療には、以下の方法があります。

①薬物療法
・抗コリンエステラーゼ薬:神経から筋肉への信号伝達を改善し、筋力を向上させます。
・免疫抑制剤:免疫系の攻撃を抑制しますが、副作用の管理が重要です。

②胸腺摘出術
胸腺に異常がある場合、胸腺の摘出を検討します。病気の進行を遅らせたり、症状が改善する可能性があります。

③支持療法
食事管理や嚥下補助を行い、誤嚥性肺炎のリスクを低減します。適度な運動と休息をバランス良く取り入れ、筋肉の過度の疲労を防ぎます。

予後

重症筋無力症の予後は、症状の重さや治療への反応によって異なります。適切な治療を受けることで、多くの犬は生活の質を大幅に改善することができます。しかし、誤嚥性肺炎などの合併症が発生すると、命に関わる可能性もあるため、早期発見と治療が重要です。 

まとめ

犬の重症筋無力症は、筋肉の疲労と脱力を引き起こす自己免疫疾患です。症状の早期発見と適切な治療が予後を大きく左右します。飼い主の皆様は、愛犬の異常に気付いた際は、早めに動物病院での診察を受けることをお勧めします。

 

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