2024/07/29
こんにちは!世田谷区等々力の、けいこくの森動物病院です。
今回は犬と猫の乳糜胸(にゅうびきょう)について紹介します。乳糜胸は、胸腔内に乳糜(にゅうび)と呼ばれる液体が異常に溜まる病態です。乳糜は、リンパ液と脂肪が混ざり合った乳白色の液体で、正常な状態ではリンパ管を通って血液に戻ります。しかし、何らかの原因でリンパ管が破裂したり、リンパ液の流れが妨げられたりすると、乳糜が胸腔内に漏れ出してしまいます。これが乳糜胸です。
乳糜胸の原因
犬と猫において乳糜胸を引き起こす原因はいくつかありますが、以下のようなものが代表的です。
- 外傷:胸部への外傷によりリンパ管が損傷し、乳糜が漏れ出すことがあります。
- 腫瘍:リンパ管や胸腔内の臓器に腫瘍が発生すると、リンパ液の流れが妨げられることがあります。
- 感染症:重度の感染症がリンパ管を破壊することがあります。
- 先天性異常:一部の犬種や猫種では、先天的にリンパ管の発達に問題があることがあります。
症状
乳糜胸の症状は、胸腔内に溜まる乳糜の量やその進行速度によって異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。
- 呼吸困難:胸腔内に液体が溜まると、肺が圧迫されて呼吸がしにくくなります。これにより、息切れや呼吸音の変化が見られることがあります。
- 咳:特に運動後に咳が増えることがあります。
- 食欲不振:呼吸が苦しいため、食欲が落ちることがあります。
- 体重減少:食欲不振とともに体重が減少することがあります。
- 疲れやすい:運動後にすぐに疲れるようになります。
診断
乳糜胸の診断は、主に以下の方法で行われます。
- 身体検査:聴診器で呼吸音の変化を確認したり、触診で胸部の異常を探したりします。
- レントゲン検査:胸部のX線画像を撮影し、胸腔内の液体の存在を確認します。
- 超音波検査:胸腔内の液体の様子を詳しく調べるために、超音波検査が行われることがあります。
- 胸水検査:胸腔穿刺(胸腔に針を刺して液体を取り出すこと)を行い、取り出した液体を検査します。乳糜は乳白色で脂肪分が多いため、他の胸水とは異なる特徴を持っています。
治療
乳糜胸の治療法は、原因や症状の重さによって異なりますが、一般的には以下のようなアプローチが取られます。
- 胸腔穿刺:胸腔内の液体を取り除くことで、呼吸困難を軽減します。ただし、これだけでは根本的な治療にはなりません。
- 食餌療法:脂肪分を制限した食事を与えることで、乳糜の生成を抑えられることがあります。
- 薬物療法:炎症を抑えるための薬や、リンパ液の貯留を抑える薬が使用されることがあります。
- 外科手術:原因が明確であり、手術が適応となる場合には、リンパ管の修復や腫瘍の摘出が行われることがあります。また、胸管結紮術(胸管を縛る手術)も考慮されることがあります。
予後
乳糜胸の予後は、原因や治療の効果によって異なります。外傷や一時的な原因による乳糜胸は、適切な治療を行うことで回復することがあります。しかし、腫瘍や先天性異常による乳糜胸は治療が難しく、再発することが多いです。
まとめ
乳糜胸は、犬や猫にとって深刻な病態ですが、早期の発見と適切な治療が重要です。ご家族としては、動物の呼吸状態や行動に異常が見られた場合には、速やかに動物病院で診察を受けることが大切です。
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