けいこくの森動物病院
TEL 03-3704-1014

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けいこくの森動物病院

進行性網膜萎縮について

こんにちは。

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です😊

今回は進行性網膜萎縮(PRA)という眼の疾患について紹介します。

 

進行性網膜萎縮(PRA)とは?

進行性網膜萎縮は、網膜の細胞が徐々に劣化し、最終的には失明に至る遺伝性の病気です。

網膜は目の奥にある光を感知する組織で、ここが正常に機能しなくなると視力が失われます。

PRAは進行性であり、時間の経過とともに症状が悪化します。

 

進行性網膜萎縮の症状

PRAの症状は徐々に現れるため、初期段階では気づきにくいことがあります。

一般的な症状は以下の通りです。

○夜盲症
夜間や暗い場所での視力低下が最初に現れることが多いです。

暗闇で物にぶつかるようになることがあります。

○視力低下
病気が進行すると、昼間でも視力が低下し、物にぶつかったり、歩行が不安定になることがあります。

○眼の異常
瞳孔の反応が遅くなる、瞳が白っぽく見える、目の動きが異常になるなどの症状が見られます。

○行動の変化
慎重に歩くようになったり、階段を避ける、突然の動きに驚くなど、行動に変化が現れることがあります。

 

 進行性網膜萎縮の原因

PRAの主な原因は遺伝的なものであり、特定の犬種や猫種に多く見られます。

以下の要因が関与しています。

○遺伝的要因

PRAは遺伝性の病気であり、親から子へと遺伝します。

特定の犬種(例:プードル、コッカースパニエル、ラブラドールレトリーバー)や猫種(例:アビシニアン、ペルシャ)に多く見られます。

○年齢

PRAは通常、若齢から中年齢にかけて発症し、年齢とともに進行します。

○遺伝子の突然変異

遺伝子の突然変異が原因でPRAが発症することがあります。

これにより、網膜の細胞が正常に機能しなくなります。

 

進行性網膜萎縮の診断方法

PRAの診断には、以下の検査を行います。

○身体検査

眼の外観を確認し、瞳孔の反応や視覚の異常をチェックします。

○眼科検査

眼底検査を行い、網膜の状態を詳細に観察します。

網膜の変性や異常が確認されることがあります。

○電気網膜図(ERG)

網膜の機能を評価するために、電気網膜図(ERG)が使用されます。

この検査では、網膜が光に対してどのように反応するかを測定します。

○遺伝子検査
特定の遺伝子変異がPRAの原因となる場合、遺伝子検査を行うことで診断が確定されます。

これにより、キャリアであるかどうかも確認できます。

 

進行性網膜萎縮の治療法

残念ながら、PRAには現在、完治する治療法は存在しません。

しかし、以下の方法で生活の質を向上させることができます。

○生活環境の調整
家の中を安全に保つために、家具の配置を一定にし、障害物を取り除くことが重要です。

また、視力が低下しても生活しやすい環境を整えましょう。

○ビタミン補給
ビタミンAやEが網膜の健康をサポートする可能性があるため、サプリメントを検討することがあります。ただし、効果は限定的です。

 

まとめ

進行性網膜萎縮は、適切なケアと環境の整備によって、視力を失っても快適に生活を送ることが可能です。

また、遺伝的疾患であるため、罹患動物の繁殖を制限することが進行性網膜萎縮症増加のコントロールにつながります。

 

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