2024/07/12
こんにちは!
世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です🌳
今回はわんちゃんねこちゃんの肝性脳症についてお話ししていきます。
肝性脳症(かんせいのうしょう)は、犬や猫において重篤な神経学的症状を引き起こす疾患です。この病気は肝臓の機能が低下し、肝臓からの有害な物質が血液を通じて脳に影響を与えることによって発症します。肝性脳症は動物病院でよく見られる重篤な状態であり、早期発見と治療が重要です。
肝性脳症の原因とメカニズム
肝性脳症の主な原因は肝機能の低下によるものです。肝臓は体内で多くの重要な機能を担っており、その一つには血液中の有害な物質(アンモニアなど)を解毒することが含まれます。しかし、肝臓の疾患や損傷によってこの解毒機能が低下すると、有害な物質が血流中に留まり、その結果として脳に影響を及ぼす可能性があります。
アンモニアは特に重要な物質で、通常は肝臓で尿素という形で無害な物質に変換されます。しかし、肝機能が低下するとこの変換が不十分になり、アンモニアが脳に直接影響を与えることがあります。これにより神経伝達物質のバランスが乱れ、神経細胞の機能が損なわれることで、肝性脳症の症状が引き起こされます。
症状と診断
肝性脳症の症状はその重症度によって異なりますが、一般的な症状には次のようなものがあります:
- 行動の変化(興奮、攻撃性の増加など)
- 知覚異常(異常な舐め方、無目的な歩行など)
- 精神状態の変化(混乱、過度の興奮または抑制、昏睡)
- 運動障害(失調歩行、筋肉のけいれん)
これらの症状は他の神経学的な問題と似ていることがあり、獣医師は診断を確定するために複数の診断手段を使用することがあります。血液検査によって肝機能の評価やアンモニア濃度の測定を行い、さらには画像診断(MRIやCTスキャン)を使用して脳の異常を確認することがあります。
治療と管理
肝性脳症の治療にはいくつかのアプローチがありますが、基本的な目的は以下の通りです:
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肝臓のサポートと治療: 根本的な原因である肝臓の機能低下を改善するため、特定の治療が行われる場合があります。これには特定の薬物療法や栄養補助が含まれることがあります。
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アンモニアの排泄促進: アンモニアの脳への影響を最小限に抑えるため、特別な食事療法や薬物が使用されることがあります。これによってアンモニアの生成を抑えたり、体外への排泄を促進することができます。
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症状の管理: 神経学的な症状を管理するために抗てんかん薬やその他の薬物が使用されることがあります。これによって患者の快適さや生活の質を向上させることが目指されます。
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定期的なフォローアップ: 治療後も定期的な検査とモニタリングが重要です。これによって病状の進行や再発の早期発見が可能になり、適切な対応が行われます。
予防と注意点
肝性脳症の予防には、ペットの健康管理が重要です。定期的な健康診断と血液検査によって肝臓の健康状態を確認し、早期に異常があれば治療を開始することが肝性脳症の発症リスクを低減する上で重要です。また、適切な栄養摂取や獣医師の指示に基づいた薬物投与も予防に役立ちます。
肝性脳症は重篤な疾患であり、早期の診断と治療が生命の質を向上させる上で不可欠です。ペットの飼い主は日常の変化に注意を払い、異常を感じた場合は速やかに獣医師の診察を受けることが大切です。適切なケアと管理によって、肝性脳症を早期に発見し、ペットの健康を守ることが可能です。
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