2024/07/12
皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌が犬や猫の皮膚に感染することで、脱毛や皮膚炎などを引き起こす病気です。この病気は人間に感染することもあるため、早期発見・早期治療を行うことが大切です。
今回は犬と猫の皮膚糸状菌症について、原因や症状、治療方法などをご紹介します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
原因
皮膚糸状菌症は、「皮膚糸状菌」という真菌(カビの仲間)が皮膚に感染することで起こります。
皮膚糸状菌は、犬や猫が以下のものと接触することで感染します。
・すでに感染している動物
・感染した動物が触れたもの(布団やタオルなど)
・汚染された土 など
しかし、皮膚糸状菌に触れたからといって、必ずしも感染するわけではありません。健康な犬や猫であれば問題にならないことが多く、免疫力の低い子犬・子猫や、抵抗力が落ちている場合に感染しやすいため、注意が必要です。
症状
皮膚糸状菌症の特徴的な症状はフケを伴う円形の脱毛で、痒みや皮膚の赤み、発疹などの症状がみられることもあります。
また、症状は全身にみられますが、特に顔や頭、手、足などによく起こります。
診断方法
皮膚糸状菌症は、さまざまな皮膚検査を行うことで診断します。
抜毛検査
ピンセットなどで毛を抜いて、顕微鏡で観察する検査を行います。
皮膚ソウハ検査
皮膚の表面を削り取って、顕微鏡で観察する検査を行います。
また、必要に応じて培養検査を行うこともあります。
PCR検査
毛やフケを再材してPCR検査を行うことがあります。
短時間で正確な結果が出るため参考になります。
治療方法
皮膚糸状菌症の治療は、主に抗真菌薬を使用して行います。抗真菌薬を含んだ内服薬の服用や外用薬の塗布、シャンプー剤を使った薬浴などを行いますが、症状が良くなるまで1〜2か月ほどかかるため、根気よく治療を続けていく必要があります。
予防法やご家庭での注意点
皮膚糸状菌症は「人獣共通感染症」といって、犬や猫から人間に感染することがあります。
人間が感染した場合も犬や猫と同様に皮膚に円形に症状がでたり、痒みや皮膚の赤み、発疹などの症状がみられたりするため、これらの症状がみられた場合はすぐに皮膚科を受診するようにしましょう。
予防のためには、皮膚糸状菌症と診断された動物との接触をなるべく避けるようにしましょう。また、毛やフケから飼い主様にうつることもあるため、部屋をこまめに掃除することも大切です。
まとめ
皮膚糸状菌症は他の動物や飼い主様にもうつることがあるため、早期発見・早期治療を行うことが大切です。
完治するまでには多くの時間がかかりますが、適切に治療を行えば症状が改善され、脱毛部分に毛もしっかり生えてきます。そのため、万が一愛犬や愛猫の皮膚に異常がみられた場合は、なるべく早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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