2024/06/30
こんにちは!世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。今回は、犬の精巣腫瘍について紹介します。犬の精巣腫瘍は、特に高齢のオス犬に見られることが多い病気です。種類や対策について解説していきます。
精巣腫瘍とは?
精巣腫瘍は、文字通り犬の精巣に発生する腫瘍(異常な細胞の増殖)のことを指します。精巣は、オス犬の生殖器官の一部であり、精子を生成し、ホルモンを分泌します。腫瘍が発生すると、これらの機能が影響を受ける可能性があります。
精巣腫瘍の種類
犬の精巣腫瘍にはいくつかの種類があります。主なものには以下の3つがあります。
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セルトリ細胞腫
- 精巣の支持細胞であるセルトリ細胞から発生する腫瘍です。比較的ゆっくり成長しますが、雌性ホルモンのエストロジェンを産生し、雌性化傾向を引き起こすことがあります。
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精上皮腫(セミノーマ)
- 精子を生成する細胞から発生する腫瘍です。セルトリ細胞腫と同様に、比較的ゆっくり成長しますが、転移する可能性があります。
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間質細胞腫(ライディッヒ細胞腫)
- 精巣の間質細胞から発生する腫瘍です。アンドロジェンの過剰分泌を引き起こし、ホルモンの不均衡を引き起こします。会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、前立腺肥大などを伴うことがあります。
精巣腫瘍のリスク要因
犬の精巣腫瘍の正確な原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関連していると考えられています。
- 年齢:高齢の犬に多く見られます。
- 未去勢:去勢されていない犬は精巣腫瘍のリスクが高いとされています。
- 停留精巣:精巣が正常な位置に降りてこない停留精巣の犬は、腫瘍のリスクが高くなります。
精巣腫瘍の症状
精巣腫瘍の症状は、腫瘍の種類や進行度によって異なります。以下は一般的な症状の一部です。
- 精巣の腫れやしこり:一側または両側の精巣が腫れることがあります。
- 性行動の変化:性ホルモンの過剰分泌や不足により、性行動に変化が見られることがあります。
- 乳腺の発達(女性化傾向):セルトリ細胞腫によるホルモンのバランスの崩れが原因です。
- 貧血:ホルモンの過剰産生により骨髄抑制が起こり、貧血になることがあります。
- 食欲不振や体重減少:腫瘍が進行すると一般的な健康状態に影響を与えることがあります。
診断方法
精巣腫瘍の診断には、いくつかの方法があります。
- 身体検査:視診や触診を行い、精巣の異常を確認します。
- 画像検査:腫瘍の転移がないか全身を確認することがあります。
- 血液検査:骨髄抑制が起きていないか血液検査が行われることがあります。
- 細胞診:精巣から採取した細胞を顕微鏡で調べ、腫瘍の種類を特定することがあります。
治療法
精巣腫瘍の治療法は、腫瘍の種類や進行度、犬の全体的な健康状態によって異なります。
- 手術:精巣摘出手術(去勢)が最も一般的な治療法です。
- 化学療法:腫瘍が転移している場合や、手術後の再発を防ぐために化学療法が行われることがあります。
予後と予防
精巣腫瘍の予後は、腫瘍の種類や進行度、治療の早期介入によって大きく異なります。早期に発見し、適切な治療を受けることで、多くの犬が良好な予後を得ることができます。
予防策
精巣腫瘍の予防には、以下のような対策が有効です。
- 去勢手術:未去勢のオス犬に対して、若齢のうちに去勢手術を行うことで精巣腫瘍のリスクを大幅に低減できます。
- 定期健康診断:定期的な健康診断を受けることで、早期に異常を発見し、迅速な対応が可能になります。
まとめ
犬の精巣腫瘍は、高齢のオス犬に多く見られる病気ですが、早期に発見し適切な治療を受けることで、多くの犬が健康を取り戻すことができます。また、未去勢のオス犬に対しては、早期の去勢手術を検討することが予防のための有効な手段となります。犬の健康を守るために、定期的な健康診断と適切なケアを心がけましょう。
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