2024/06/28
こんにちは！
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。
今回は逆さまつ毛（睫毛重生（しょうもうじゅうせい）・睫毛乱生（しょうもうらんせい））についてお話します。
睫毛重生（Distichiasis）とは
通常のまつ毛の位置より内側にまつ毛が生える状態です。
眼の表面を刺激し、不快感や炎症、さらには角膜潰瘍を引き起こすことがあります。
遺伝的要因によることが多く、特定の犬種（シーズー、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなど）で頻繁に見られます。
睫毛乱生（Trichiasis）とは
まつ毛やまぶたの毛が眼球に向かって生える状態です。
眼の表面を刺激し、炎症や角膜の損傷を引き起こす可能性があります。
まぶたの構造の異常や、傷跡、感染症などが原因で発生することがあります。
症状
[共通の症状]
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赤み |
眼の表面や周囲の組織が炎症を起こして赤くなることがあります。 |
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涙眼
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過剰な涙の分泌が見られることがあります。 これには涙が顔に流れることも含まれます。 |
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眼ヤニ |
粘着性のある分泌物が出ることがあります。 |
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眼の擦り傷 |
前脚で擦ったりする行動を見せることがあります。 |
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目の周囲の皮膚炎 |
涙や分泌物が皮膚を刺激し、皮膚炎を引き起こすことがあります。 |
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痛み |
目を開けるのを嫌がったり、まぶしそうにしていることがあります。 |
[睫毛重生（Distichiasis）の症状]
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内側にまつ毛が生えている |
まぶたの内側に生えている。 |
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角膜の炎症や潰瘍 |
角膜を刺激し、炎症や潰瘍を引き起こすことがあります。 |
[乱生（Trichiasis）の症状]
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まつ毛が下向きに生えている |
まつ毛が眼球に向かって生えている。 |
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角膜の傷 |
まつ毛が角膜を擦り、傷や潰瘍を引き起こすことがあります。 |
[重症の症状]
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視力の低下
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長期間放置された場合、角膜の損傷が進行し、 視力が低下することがあります。 |
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角膜潰瘍 |
角膜に深刻な傷ができ、潰瘍が形成されることがあります。 |
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感染症 |
炎症や損傷が原因で二次感染が発生することがあります。 |
原因
[共通する原因]
①先天性の要因
生まれつきのまぶたや毛包の異常によって発生することがあります。
②品種特異性
特定の犬種や猫種に多く見られることがあります。
これらの品種は遺伝的にまつ毛やまぶたの異常を持ちやすい傾向があります。
[睫毛重生（Distichiasis）の原因]
①遺伝的要因
睫毛重生は遺伝的な原因が多く、特定の犬種に多く見られます。例えば、シーズー、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、コッカースパニエルなどです。
②発育異常
まぶたの中の毛包（毛が生える部分）の発育が異常になることによって引き起こされます。
[乱生（Trichiasis）の原因]
①まぶたの構造異常
まぶたが正常な形状や位置からずれていることが原因で、まつ毛が目に向かって生えることがあります。
例えば、内反症（エントロピオン）という状態では、まぶたが内側に巻き込まれるため、まつ毛が角膜に触れます。
②外傷や傷跡
外傷や手術後の傷跡が原因でまぶたの構造が変わり、まつ毛の生える方向が乱れることがあります。
③炎症や感染
眼の周囲の皮膚やまぶたの炎症、感染症が原因でまつげが異常な方向に成長することがあります。
④老化
年齢を重ねることで、まぶたの筋肉や皮膚が緩むため、まつげが目に向かって生えやすくなることがあります。
診断
①視診および問診
– 眼とまぶたの外観を視覚的に観察します。
– 症状（眼の赤み、涙眼、眼を擦る、眼ヤニが多いなど）や
行動（頻繁に眼を擦る、眼を開けるのを嫌がるなど）について詳細に尋ねます。
②拡大鏡やスリットランプによる検査
– 拡大鏡やスリットランプを使用して、まつの毛生え方やまぶたの構造を詳細に観察します。
– 睫毛重生の場合、内側に生えているまつ毛が確認できます。
– 乱生の場合、まつ毛や毛が眼球に向かって生えているかどうかが確認できます。
③染色検査
-蛍光染料を用いて、角膜に傷や潰瘍があるかどうかを確認します。
-角膜を傷つけている場合、染料が傷に染まり、損傷の程度が分かります。
④シルマー試験
– 涙の量を測定するためにシルマー試験が行われることがあります。
これは、涙の分泌量が異常な場合に行われます。
⑤眼圧測定
– 眼圧が正常範囲内かどうかを確認するための眼圧測定が行われることがあります。
特に、二次的な眼疾患を排除するために重要です。
治療
[睫毛重生（Distichiasis）の治療]
①物理的な除去
手動で抜く：異常なまつ毛をピンセットで抜く方法です。
しかし、まつげは再び生えてくるため、根本的な解決にはなりません。
[乱生（Trichiasis）の治療]
①まつげの切除
乱生しているまつ毛を物理的に切除する方法です。
しかし、再生する可能性があるため、根本的な解決にはならないことがあります。
②外科的修正
内反症（エントロピオン）の手術
まぶたが内側に巻き込まれている場合、手術でまぶたの位置を正常に戻す方法です。これにより、まつげが角膜に触れることを防ぎます。
外反症（エクトロピオン）の手術
まぶたが外側に垂れている場合、手術で正常な位置に修正する方法です。
③再発防止のための治療
- 抗生物質の点眼薬
– 眼の感染症を予防するために使用されます。
- 抗炎症薬の点眼薬
– 眼の炎症を抑えるために使用されます。
- 人工涙液
– 涙液の不足を補い、眼の表面を保護するために使用されます。
日常のケア
①定期的な眼のチェック
毎日または週に数回、眼をチェックして、赤み、眼ヤニ、涙眼などがないか確認します。
異常が見られた場合は、早めに獣医師に相談してください。
②眼の清潔を保つ
眼の周りを清潔に保つために、ぬるま湯で湿らせた柔らかい布や専用の眼用ワイプで優しく拭き取ります。
眼ヤニが多い場合は、獣医師に相談してください。
③涙やけの予防
涙やけがひどい場合、涙やけ専用のクリーナーを使用して眼の周りをケアします。
涙やけの原因が睫毛重生や乱生の場合は治療が必要です。
④眼を擦らないようにする
眼を擦るのを防ぐために、エリザベスカラーを装着することが推奨される場合があります。
眼を擦る原因となるアレルゲンや刺激物を避けるようにします。
日常的なケアをしっかりと行うことで、睫毛重生や乱生による不快感や合併症を防ぎ、眼の健康を維持することができます。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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