2024/06/25
こんにちは!
世田谷区等々力の、けいこくの森動物病院です🌳
今回は、犬猫の眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)という病気についてご紹介します。
眼瞼内反症とは?
眼瞼(がんけん)とはまぶたを指し、眼瞼内反症とは、犬や猫のまぶたが内側に巻き込まれる病気です。この病気は、まぶたの端が目の表面に接触し、持続的な刺激や摩擦を引き起こします。その結果、目に炎症や感染が生じることがあり、視覚にも悪影響を及ぼす可能性があります。
眼瞼内反症は、猫よりも犬で多く見られ、眼瞼内反症が起こりやすい傾向にある犬種もいます。
原因
眼瞼内反症の原因は大きく分けて先天性と後天性の2つがあります。
◉先天性原因
– 遺伝的要因:先天性眼瞼内反症は、眼瞼裂ができあがった後に発症します。これは遺伝性で、コッカースパニエル、秋田犬、ゴールデンレトリバー、シャーペイ、セントバーナード、チャウチャウ、ブルドッグ、ラブラドールレトリバーなどによく見られます。
◉後天性原因
– 外傷:目やまぶたのけがにより、瘢痕(はんこん)形成や変形が生じることがあります。
– 炎症性疾患:慢性的な目の炎症や感染が原因でまぶたが内側に巻き込まれることがあります。
– 加齢:年をとると皮膚や筋肉の弾力性が低下し、眼瞼内反症を引き起こすことがあります。
症状
眼瞼内反症の主な症状は次の通りです。
涙や目やにの増加:まぶたが内側に巻き込まれることで、涙の分泌が増加し、目やにが多くなります。
目の充血:目が赤くなることがあります。
目の痛みやかゆみ:目をこすったり、頻繁にまばたきしたりする仕草が見られます。
角膜潰瘍:持続的な摩擦により、角膜に傷がつき、重篤な場合は潰瘍が形成されることがあります。
診断方法
眼瞼内反症の診断は、主に以下の方法で行われます。
視診:目の外観をチェックし、まぶたの巻き込み具合を確認します。
染色検査:フルオレセイン染色を行い、角膜の傷や潰瘍の有無を確認します。
涙液検査:シルマー試験紙を用いて、涙液の分泌量を測定します。
眼圧検査:トノメトリーを使用して眼圧を測定します。
細隙灯検査(スリットランプ検査):細い光を目に当て、角膜や眼球の中を観察します。
治療法
眼瞼内反症の治療は、病気の原因や重症度によって異なります。
◉保存的治療
一時的な処置ですが、眼球に当たるまつ毛を抜く、眼軟膏で眼球への刺激を弱めるという処置もします。
ただし、これらの処置は眼瞼内反症が治らない限りは継続する必要があります。
◉外科的治療
先天的、または外傷後の引きつりなどのまぶたの構造から、眼瞼内反症が起こっている場合は、外科的治療が検討されます。
まぶたの一部を切除し、内側への巻き込みを防ぐ手術や、まぶたの構造を調整し、正常な位置に固定する手術を行います。
予防と注意点
眼瞼内反症を予防するためには、以下の点に注意することが重要です。
定期的な目のチェック:定期的に目の健康状態をチェックしてもらうことが重要です。
適切な飼育環境:目を刺激するような環境を避けることが大切です。
早期発見と治療:症状が見られた場合、早期に動物病院へ相談し、適切な治療を受けることが必要です。
まとめ
眼瞼内反症は、犬や猫にとって非常に不快で痛みを伴う病気です。定期的な健康チェックや適切な飼育環境を維持しましょう。
不安なことやご質問など、お気軽にご相談ください。
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