2024/06/15
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は、わんちゃんねこちゃんの眼の疾患の一つ「角膜損傷」についてご紹介します!
角膜損傷とは
目は非常にデリケートな部分であり、さまざまな原因で損傷を受けることがあります。特に角膜は、目の外側を覆う透明な膜であり、外部からの異物や衝撃に対して敏感です。今回は、角膜損傷について、その原因、症状、治療方法、予防策などをわかりやすく解説します。
角膜損傷の原因
物理的な外傷
角膜損傷の最も一般的な原因は物理的な外傷です。犬や猫が遊んでいる最中に枝や草、家具の角などに目をぶつけることがあります。また、他の動物との喧嘩や飼い主が誤って目を触ることで損傷することもあります。
化学的刺激
洗剤や薬品などの化学物質が目に入ると、角膜を損傷することがあります。特に、家庭内で使用される掃除用の薬品には注意が必要です。
感染症
細菌やウイルス、真菌などによる感染症も角膜損傷の原因となります。結膜炎や角膜炎が進行すると、角膜に潰瘍や穿孔を引き起こすことがあります。
自己免疫疾患
まれに、犬猫の免疫系が自己の角膜を攻撃する自己免疫疾患が原因で角膜が損傷することがあります。
角膜損傷の症状
角膜が損傷すると、以下のような症状が見られます。
涙の増加: 目が異常に潤んで涙が多くなります。
目をこする: 痛みやかゆみを感じ、前足で目をこする行動が見られます。
目の赤み: 目の周りや結膜が赤くなります。
視力の低下: 重度の場合、視力が低下することがあります。
目やにの増加: 特に感染症が原因の場合、目やにが増えることがあります。
診断方法
角膜損傷が疑われる場合、動物病院での診察が必要です。以下の方法で診断が行われます。
視覚的な検査: 獣医師が目の外観を観察し、異常を確認します。
フルオレセイン染色検査: 角膜に特殊な染色剤をつけ、青色光で観察することで損傷の程度を確認します。
眼圧測定: 眼球内の圧力を測定し、他の眼疾患との鑑別を行います。
治療方法
角膜損傷の治療は、原因や損傷の程度によって異なります。
薬物療法
軽度の損傷であれば、抗生物質の点眼薬や軟膏を使用して感染を防ぎます。また、角膜の修復を促進するための点眼薬が処方されることもあります。
外科的治療
重度の損傷や穿孔がある場合、外科的な治療が必要です。角膜縫合や角膜移植などの手術が行われます。これにより、視力の回復が期待できます。
保護具の使用
治療中に自分で目をこすらないように、エリザベスカラーなどの保護具を使用します。
予防策
角膜損傷を予防するためには、以下のような対策が有効です。
定期的な目のチェック: 定期的に愛犬や愛猫の目をチェックし、異常がないか確認します。
危険物の排除: 家の中や庭で目に危険な物(尖った物や化学物質)を排除します。
適切なケア: 目の周りの毛を定期的にカットし、清潔に保ちます。特に、長毛種の場合は注意が必要です。
感染症の予防: ワクチン接種や定期的な健康チェックを行い、感染症のリスクを減らします。
まとめ
角膜損傷は、早期に発見し適切な治療を行うことで、視力の回復が期待できる病気です。飼い主としては、日頃から目の健康に注意を払い、異常が見られた場合はすぐに動物病院に相談することが大切です。予防策を講じることで、愛犬や愛猫が健康で快適に過ごせるようサポートしましょう。
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