2024/06/11
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。
今回は蛋白喪失性腸症についてお話いたします。
蛋白喪失性腸症は、消化管から過剰にタンパク質が失われる病気です。
通常、腸の粘膜はタンパク質が漏れ出すのを防ぎますが、何らかの理由でこの機能が障害されると、タンパク質が漏れ出し、低タンパク血症(血液中のタンパク質が低下する状態)を引き起こします。
この状態はわんちゃんやねこちゃんにも見られ、特に治療が遅れると重篤な症状を引き起こすことがあります。
原因
蛋白喪失性腸症の原因はさまざまで、大きく分けて以下のようなものがあります。
1. 炎症性腸疾患(IBD):
– 腸の慢性的な炎症が原因で、腸の粘膜が損傷し、タンパク質が漏れやすくなります。
2. リンパ管拡張症:
– 腸のリンパ管が拡張し、リンパ液が腸に漏れ出すことにより、タンパク質が失われます。
3. 腫瘍:
– 腸にできた腫瘍が原因で、粘膜の機能が障害され、タンパク質が漏れ出します。
4. 寄生虫感染:
– 特定の寄生虫(例:鉤虫、鞭虫)が腸内に寄生することで、粘膜が損傷され、タンパク質が漏れやすくなります。
症状
蛋白喪失性腸症の症状は、原因や進行度によって異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。
体重減少:
– 食欲は正常でも体重が減少することがあります。
腹水:
– 低タンパク血症により、体液が腹腔内に溜まり、腹部が膨れることがあります。
浮腫:
– 四肢や顔に浮腫(むくみ)が見られることがあります。
下痢:
– 特に慢性的な下痢が続くことがあります。
嘔吐:
– 時には嘔吐を伴うことがあります。
倦怠感:
– 元気がなくなり、活動量が減少します。
診断
蛋白喪失性腸症の診断には、以下のような検査が行われます。
1. 血液検査:
– 低アルブミン血症(アルブミンが低下)や低グロブリン血症(グロブリンが低下)が見られます。
2. 糞便検査:
– 寄生虫感染の有無を確認します。
3. 腹部超音波検査:
– 腸の状態や腹水の有無を確認します。
4. 内視鏡検査:
– 内視鏡を用いて腸の内側を観察し、組織のサンプルを採取します。
5. 生検:
– 腸の組織を採取し、顕微鏡で詳細な検査を行います。
治療
蛋白喪失性腸症の治療は、原因に応じて異なりますが、一般的な治療法は以下の通りです:
1. 食事療法:
– 低脂肪、高タンパク質の食事を与えることが推奨されます。特にリンパ管拡張症の場合、低脂肪食が重要です。
2. 薬物療法:
– 抗炎症薬や免疫抑制剤が用いられることがあります。炎症性腸疾患の場合、ステロイドが有効です。
3. 寄生虫駆除:
– 寄生虫が原因の場合、適切な駆除薬を使用します。
4. 外科手術:
– 腫瘍が原因の場合、外科手術で腫瘍を取り除くことが必要です。
予後
蛋白喪失性腸症の予後は、原因や治療の早期介入によって大きく異なります。
早期に適切な治療が行われれば、症状の改善が期待できますが、進行した場合や治療が遅れた場合には、重篤な状態になることがあります。
継続的な治療と定期的な検査が必要です。
まとめ
蛋白漏出性腸症は、わんちゃんやねこちゃんにおいても見られる深刻な病気です。
早期の発見と適切な治療が鍵となります。
飼い主としては、ペットの体重減少や下痢、嘔吐などの症状に気づいたら、早めに獣医師に相談することが重要です。
適切な診断と治療を行うことで、ペットの健康を守ることができます。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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