2024/06/06
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。
今回はわんちゃんねこちゃんのクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)についてご紹介します。
クッシング症候群とは
犬や猫においても見られる内分泌疾患で、副腎皮質からコルチゾールが過剰に分泌されることにより引き起こされます。コルチゾールは体内のさまざまな機能を調整する重要なホルモンですが、過剰になると様々な健康問題を引き起こします。
原因
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下垂体腫瘍: 脳にある下垂体に腫瘍が発生し、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の過剰分泌を引き起こします。これが副腎に作用してコルチゾールの過剰産生を招きます。このタイプは犬に特に多く見られます。
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副腎腫瘍: 副腎そのものに腫瘍ができることで、直接的にコルチゾールの過剰分泌を引き起こします。この原因は犬だけでなく猫にも見られますが、頻度は少ないです。
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医原性クッシング症候群: 長期間にわたってステロイド薬を使用することによって発症します。このタイプは薬物治療の副作用として発生するため、注意が必要です。
症状
- 多飲多尿: 水を大量に飲み、尿の量も増える。
- 過食: 食欲が異常に亢進する。
- 体重増加: 特に腹部が膨らんで見える「ぽっこりお腹」。
- 皮膚の問題: 皮膚が薄くなり、毛が抜けやすくなります。また、傷が治りにくいこともあります。
- 筋力低下: 特に後肢の筋力が低下します。
- 疲れやすさ: 活動的でなくなり、すぐに疲れてしまいます。
これらの症状は徐々に進行するため、気づきにくいこともあります。
診断
- 血液検査: コルチゾール濃度やACTHを測定します。特にACTH刺激試験やデキサメタゾン抑制試験が有効です。
- 尿検査: 尿中のコルチゾールとクレアチニンの比率を測定します。
- 画像診断: 超音波検査やCT,MRIなどで副腎や下垂体の異常を確認します。
治療
- 薬物療法: 下垂体腫瘍による場合、ミトタンやトリロスタンなどの薬物を用いてコルチゾールの過剰分泌を抑えます。
- 手術: 副腎腫瘍が原因の場合、腫瘍を外科的に除去する手術が必要です。ただし、手術にはリスクが伴います。
- 医原性クッシング症候群: コルチコステロイド薬の使用量を調整するか、使用を中止します。
予防法
1.適切な薬物管理
クッシング症候群の一部は、医原性クッシング症候群として長期間のステロイド薬の使用によって引き起こされます。
- 投与量の厳守: ステロイド薬は処方通りに正しく使用してください。自己判断で薬の使用量を増減させないようにしましょう。
- 長期使用の回避: ステロイド薬を長期間使用する必要がある場合は、定期的な診察を受け、最小有効量を維持するように努めていきましょう。
2.定期的な健康診断
早期発見が重要です。定期的な健康診断を受けることで、クッシング症候群の兆候を早期に発見することができます。
- 年に一度の健康診断: 年に一度は健康診断を受けることをおすすめします。特に高齢の犬や猫は、半年に一度の診断が推奨されます。
- 血液検査の実施: 定期的に血液検査を行うことで、ホルモンバランスの異常を早期に発見することができます。
3.適切な体重管理
過剰な体重はクッシング症候群のリスクを高める要因となることがあります。
- バランスの取れた食事: 犬や猫の年齢、体重、活動量に応じたバランスの取れた食事を与えましょう。
- 定期的な運動: 適度な運動は体重管理に重要です。犬は毎日の散歩、猫は室内での遊びを通じて運動量を確保しましょう。
4.ストレスの管理
過剰なストレスもホルモンバランスに影響を与える可能性があります。生活環境を整え、ストレスを軽減させましょう。
- 安定した生活環境: 急激な環境の変化や騒音を避け、静かで安定した環境を提供しましょう。
- 適切な社会化: 他の動物や人との適切な社会化を通じて、精神的なストレスを減らしましょう。
クッシング症候群は慢性的な疾患であり、完治が難しい場合もあります。しかし、適切な治療と管理により、生活の質を大幅に向上させることができます。定期的な検診と血液検査を通じて病状を観察し、早期発見していくことが重要です。
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