2024/04/11
マラセチア皮膚炎はマラセチアというカビ(真菌)による皮膚病です。
犬や猫では指の間や脇、股、耳の中などむれやすい場所で多く、赤くただれてベタベタし、嫌なニオイがするのが特徴です。
マラセチア自体は健康な犬や猫でも皮膚に常に少数いる常在真菌で、普段は悪さをしませんが、何らかの原因で異常に増殖すると皮膚に炎症を起こします。
マラセチア皮膚炎は人間や他の犬・猫にうつって発症するものではありません。
今回は犬と猫のマラセチア皮膚炎について、原因や症状、治療方法などをご紹介します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
原因
マラセチアは、本来は皮膚に炎症を起こすほどに異常に増えることはありませんが、皮膚のバリア機能が低下するアトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎や、免疫力が下がるような基礎疾患があると、過剰に増殖して炎症を起こします。
また、免疫力が未熟な子犬や子猫、免疫力が弱まる老犬・老猫でも起こりやすいと考えられています。
また、マラセチアは皮脂をエサにするため、皮脂の分泌が増えるような病気がある犬や猫でも発生しやすくなります。
さらに、カビは高温多湿な環境で増殖しやすいため、梅雨の時期から夏場にかけて発生が増える傾向にあり、また指の間や脇、股、耳の中など、むれやすい場所で起こりやすいです。
耳の中でマラセチアが過剰増殖すると外耳炎を起こします。
カビが原因の皮膚病ですが、他の犬や猫、人間にうつるものではありません。
症状
皮膚が赤くなり、ベタつき、カビのような特有の嫌なニオイがします。
また、皮膚の表面がゴワゴワして分厚くなり、悪化すると黒くなります。
外耳炎を起こした場合は、黒い耳垢が大量にできます。
診断方法
皮膚炎を起こしている部分に当てたプレパラートやセロハンテープを特殊な染色液で染めて顕微鏡で観察し、雪だるまのような特徴的な形をしているマラセチアを確認します。
治療への反応が悪かったり、再発を繰り返したりする場合は、その原因を探るために内分泌検査やアレルギー検査などを行うこともあります。
治療方法
基本的には薬用シャンプーや軟膏など、外用薬で治療をしますが、症状がひどい場合は内服治療を行うこともあります。
他にも皮膚の病気がある場合はそちらの治療も同時に行いますし、皮膚以外に原因がある場合はそれに対する治療が必要になることもあります。
マラセチア皮膚炎はそもそも皮膚炎を起こしやすかったり、基礎疾患があったりする犬や猫に多い病気です。
再発も多いため、治療後も薬用シャンプーによる定期的な薬浴が必要な場合もあります。
予防法とご家庭での注意点
マラセチアが過剰に増え – けいこくの森動物病院 世田谷区 等々力ないようにするには、皮膚のコンディションを整えてバリア機能に正常に働いてもらう必要があります。
皮膚を痒がっている、赤くなっているなど、異変があるときには、なるべく早めに対処してあげましょう。
また、定期的にシャンプーを行い、汚れや余分な皮脂を取り除き、清潔にしてあげましょう。
皮膚が乾燥しすぎると皮膚のバリア機能が弱まったり、皮脂が分泌されすぎてしまったりしてマラセチアの増殖を助けてしまうため、保湿も重要です。
具体的な方法は、獣医師にご相談ください。
まとめ
今回はマラセチア皮膚炎について紹介しました。
比較的再発の多い病気で、この病気と長い付き合いになる犬や猫も少なくありません。
皮膚のコンディションを保つことが鍵となりますので、飼い主様と犬・猫双方にとってストレスのない治療を考えていきましょう。
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