2025/01/10
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。
今日ご紹介するのは「表在性細菌性毛包炎」についてです。
表在性細菌性毛包炎とは
毛穴の周りに細菌が感染して炎症を起こす皮膚の病気です。
毛が抜けたり、赤い発疹やかさぶたができることがあります。
原因
- 細菌感染
皮膚に常在する細菌(主にStaphylococcus pseudintermedius)が原因です。
皮膚のバリアが弱まると、細菌が増殖して炎症を引き起こします。
- 基礎疾患や体質
①アレルギー
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーがあると、皮膚が炎症を起こしやすいです。
②ホルモンの病気
甲状腺機能低下症やクッシング症候群が原因で皮膚の免疫力が低下して炎症を引き起こします。
③免疫力の低下
老化や他の病気で免疫力が落ちると感染しやすくなります。
- 皮膚の損傷
傷やかゆみによる掻き壊し、外傷が細菌が侵入しやすくします。
- 寄生虫
ノミ、ダニ、疥癬などの寄生虫が皮膚を傷つけ、細菌感染を引き起こすことがあります。
- 湿気や不衛生な環境
湿気が多い環境や不十分な清潔管理が原因で細菌が増えやすく、炎症を引き起こします。
- 過度なシャンプーや不適切なケア
過剰な洗浄や、皮膚に合わないケア用品の使用で皮膚のバリアが弱くなり、炎症を引き起こします。
- 遺伝的要因(犬の場合)
一部の犬種(例:ブルドッグやゴールデンレトリバー)は、皮膚トラブルを起こしやすい傾向があります。
症状
- 脱毛
丸い形で毛が抜ける(特に炎症がある部分)。
毛が薄くなり、肌が見えることもあります。
- 発疹や膿疱(のうほう)
毛穴周辺に赤いポツポツや膿を伴う小さな発疹ができます。
- かさぶたやフケ
炎症部にかさぶたができたり、フケが増えることもあります。
- 赤みや炎症
脱毛した部位や発疹部分の皮膚が赤くなります。
- 痒み
痒みが出ることもあります。
- 色素沈着や皮膚の黒ずみ(慢性的な場合)
長期間放置すると、皮膚が黒ずんだり厚くなることがあります。
治療
感染を抑え、原因を取り除くことが目的です。
1.抗菌治療
細菌感染を抑えるために、内服薬や外用薬を処方します。
※完全に治る前に薬をやめてしまうと再発しやすいので、自己判断ではなく獣医師の指示の通り投薬してください。
2.スキンケア
薬用シャンプー、保湿剤
3.原因の治療
①アレルギー対策
食費療法や抗アレルギー薬の使用でアレルギーを管理する。
②ホルモン異常の治療
甲状腺ホルモン補充やクッシング症候群の治療を行います。
③寄生虫駆除
ノミやダニが原因の場合、適切な駆除くる薬を使用します。
4.ライフスタイルの改善
①環境管理
清潔で乾燥した環境を整え、寝床や毛布を定期的に洗濯していただきます。
②定期的なブラッシング
皮膚の健康を保ちます。
5.再発予防
完全に治るまで治療を続けてください。
定期的に皮膚の状態をチェックすることが必要となります。
基礎疾患がある場合、継続的な管理が重要となります。
まとめ
治療は症状の程度や原因に応じて異なるため、早めに動物病院を受診し、適切な治療計画を立てることが重要となります。
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。
けいこくの森動物病院 Animal Dental Office 世田谷
〒158-0082
東京都世田谷区等々力1-34-18
シュロス等々力1F
TEL:03-3704-1014
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。