2024/12/16
こんにちは!
世田谷区等々力、けいこくの森動物病院です。
今回は、犬と猫の「耳介辺縁皮膚炎(じかいへんえんひふえん)」についてご紹介いたします。
「耳介辺縁皮膚炎」とは
犬や猫の耳の縁(耳介)の皮膚に炎症が起こる状態です。
この症状は、耳の外側の皮膚が赤くなったり、痒みが出たり、乾燥して鱗状になることが特徴です。
重症の場合、耳の縁がひび割れたり、出血したりすることもあります。
症状
1.耳の縁の赤み
耳介の外側が赤くなり、炎症が見られます。
2.痒み
犬や猫が耳を頻繁に掻く、頭を振るなどの行動が見られます。
3.乾燥と鱗状の皮膚
耳の縁の皮膚が乾燥し、フケのように鱗状になることがあります。
4.出血
重度の場合、耳の縁がひび割れて出血することがあります。
5.かさぶたや潰瘍
長期間炎症が続くと、耳の縁にかさぶたや潰瘍ができることがあります。
6.耳の変形
炎症が慢性的になると、耳の形が変わったり、厚くなったりすることがあります。
7.耳の皮膚が厚くなる
耳の皮膚が厚くなり、やや硬くなることがあります。
8.色素沈着
長期間炎症が続くと、次回が黒ずむことがあります。
原因
①アレルギー
食物アレルギーや環境アレルギーが原因で炎症が起こることがあります。
②寄生虫
ダニやノミなどの寄生虫が耳の皮膚に影響を与えることがあります。
③自己免疫疾患
自己免疫疾患が原因で耳介辺縁に皮膚炎が起こることがあります。
④寒冷
寒冷にさらされることで、耳の血行が悪くなり、皮膚がダメージを受けることがあります。
⑤細菌や真菌の感染
感染症が原因で皮膚炎を引き起こすことがあります。
原因
1.アレルギー
・食物アレルギー: 特定の食材に対するアレルギー反応が皮膚に現れることがあります。
・環境アレルギー: 花粉、ハウスダスト、カビなど、環境中のアレルゲンが原因となることがあります。
2.寄生虫
・ダニ: ミミダニなどの寄生虫が耳の皮膚に寄生し、炎症を引き起こします。
・ノミ : ノミが耳周辺の皮膚を噛み、炎症を引き起こすことがあります。
3.自己免疫疾患
体の免疫システムが自己の皮膚を攻撃することで、炎症が発生する場合があります。
たとえば、自己免疫性疾患による血管炎が原因で耳介辺縁皮膚炎が発生することがあります。
4.感染症
・細菌感染: 皮膚が傷つくことで細菌が侵入し、感染症を引き起こすことがあります。
・真菌感染: 特定の真菌(カビ)が皮膚に感染することがあります。
5.寒冷
寒冷にさらされることで、耳の末端部の血行が悪くなり、皮膚がダメージを受けることがあります。
特に短毛種や耳の薄い犬種で見られることが多いです。
6.ホルモン異常
甲状腺機能低下症など、ホルモンバランスが崩れることで皮膚に異常が現れることがあります。
7.物理的刺激や外傷
耳に外傷があったり、頻繁に耳を掻くことで、皮膚が傷つき炎症を引き起こすことがあります。
治療
原因に応じて異なりますが、一般的な治療法を以下に挙げます。
また、治療法については犬や猫の状態によって異なるため、獣医師と相談し、個別の治療計画を立てることが重要となります。
1.アレルギーの管理
・食物アレルギー: アレルゲンとなる食材を特定し、アレルギー対応の食事に切り替えることで症状を改善します。
・環境アレルギー: アレルゲンを回避することが難しい場合、抗ヒスタミン薬やステロイドを使用して炎症を抑えることがあります。
2.寄生虫の駆除
・ダニやノミの駆除: 寄生虫駆除薬を使用し、徹底的にダニやノミを排除します。定期的な予防措置も重要です。
3.自己免疫疾患の治療
・免疫抑制薬: 免疫システムの過剰な反応を抑えるために、免疫抑制薬やステロイドを使用することがあります。
・慢性の管理: 症状の管理には定期的な獣医師の診察と、薬の調整が必要です。
4.感染症の治療
・抗生物質: 細菌感染が原因の場合、抗生物質の投与が必要です。
・抗真菌薬: 真菌感染が疑われる場合は、抗真菌薬を使用します。
5.寒冷に対する保護
・防寒対策: 冬場や寒冷地では、耳を保護するためのカバーや帽子を使用して、寒冷刺激から耳を守ります。
6.ホルモン異常の治療
・ホルモン補充療法: 甲状腺機能低下症などの場合、ホルモン補充療法を行い、体内のホルモンバランスを整えます。
7.物理的刺激や外傷の管理
・保護措置: 耳を掻きすぎないようにするため、エリザベスカラーの装着などで物理的な保護を行います。
・傷のケア: 傷口の消毒や治療薬の塗布を行い、皮膚を保護します。
8.一般的な皮膚ケア
・保湿: 乾燥が原因の場合、保湿剤や軟膏を使用して皮膚を保湿します。
・耳の清潔維持: 耳を清潔に保ち、定期的に洗浄することで再発を防ぎます。
9.継続的なケア
・定期的なチェック: 炎症が再発しないよう、定期的に獣医師の診察を受け、必要に応じて治療を行います。
診断
1.問診
獣医師は、犬や猫の過去の病歴、生活環境、食事内容、アレルギーの有無、症状がいつから始まったか、どのように変化してきたかなどを詳しく聞き取ります。
2.身体検査
・耳介の視診: 耳の外観を観察し、炎症、発赤、鱗屑、かさぶた、出血などの症状を確認します。
・耳の内部のチェック: 耳の内部を確認し、外耳炎や中耳炎など、他の耳の疾患がないかを確認します。
3.皮膚検査
・皮膚の刮片検査: 皮膚の一部を軽く削り取り、ダニや真菌などの寄生虫の存在を顕微鏡で確認します。
・細胞診: 耳介から採取した細胞を顕微鏡で観察し、炎症細胞や感染の兆候を確認します。
・培養検査: 細菌や真菌感染が疑われる場合、培養を行って病原体を特定し、適切な抗生物質や抗真菌薬を選択します。
4.アレルギー検査
・食物除去試験: アレルギーが疑われる場合、特定の食材を除去したり、低アレルギー食を与えたりすることで症状の改善を確認します。
・血液検査: アレルギーに関連する抗体を測定するための血液検査を行うことがあります。
5.血液検査
・ホルモン検査: 甲状腺機能低下症や他のホルモン異常が疑われる場合、血液検査でホルモンのレベルを測定します。
6.生検
・皮膚生検: より詳細な診断が必要な場合、耳介の皮膚の一部を切り取って組織学的に検査することがあります。
これにより、自己免疫疾患や特定の炎症性疾患の診断が可能になります。
7.その他の診断法
・画像診断: 耳の構造に異常がないか確認するため、必要に応じてX線や超音波検査が行われることもあります。
まとめ
犬や猫の耳介辺縁皮膚炎は、さまざまな原因によって耳の縁に炎症が起こる疾患です。
早めに獣医師の診察を受け、適切な治療やケアを行いましょう。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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