けいこくの森動物病院
TEL 03-3704-1014

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〒158-0082 東京都世田谷区等々力1-34-18

けいこくの森動物病院

耳の毛が抜けている!? 耳介脱毛かも

こんにちは!  

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。 

今回は耳介(じかい)脱毛についてお話しいたします。

 

耳介(じかい)とは

動物の耳の外部構造の一部を指します。

具体的には、外耳の一部であり、耳の外側に位置する柔軟な部分です。

耳介は耳の入口を保護し、音を集めて耳道に導く役割を果たします。

犬や猫では、耳介の形や大きさ、向きが種や品種によって異なります。

 

症状

  1. 痒み:頻繁に耳を掻いたり、頭を振ったりします。
  2. 赤みや腫れ:耳介やその周辺の皮膚が赤くなったり腫れたりする。
  3. フケやかさぶた:耳介の皮膚が乾燥し、フケやかさぶたが見られる。
  4. 分泌物や臭い:耳から分泌物や不快な臭いがする。
  5. 皮膚の厚みや変色:耳介の皮膚が厚くなったり、色が変わったりする。
  6. 傷や出血:掻きすぎや咬まれたことによる傷や出血が見られる。
  7. 行動の変化:動物が不快感を示し、落ち着かない様子を見せることがある。
  8. 毛の抜けた部分が不規則:脱毛が不規則で、斑点状や広範囲に及ぶことがある。

 

原因

  1. アレルギー:食物アレルギーや環境アレルギー(花粉、ほこり、カビなど)が原因で痒みが生じ、

         耳を掻くことによって脱毛することがあります。

  1. 寄生虫:耳ダニやノミ、シラミなどの寄生虫が耳に寄生し、痒みを引き起こし、掻くことで脱毛することがあります。
  2. 感染症:細菌や真菌(カビ)による感染症が耳介に発生し、炎症とともに脱毛が見られることがあります。
  3. ホルモン異常:甲状腺機能低下症やクッシング症候群などのホルモン異常が原因で脱毛が生じることがあります。
  4. ストレスや行動問題:過度なストレスや行動問題により、自分で耳を頻繁に掻いたり舐めたりすることで脱毛することがあります。
  5. 外傷:喧嘩や鋭利な物による外傷が原因で、耳介の毛が抜けることがあります。
  6. 栄養不足:バランスの悪い食事や栄養不足が原因で毛が弱くなり、脱毛することがあります。

 

診断

  1. 視診と問診

    - 獣医師は耳介の状態を目視で確認し、赤み、腫れ、かさぶた、傷などの症状を調べます。

    – 飼い主から動物の生活環境、食事、アレルギー歴、他の症状(痒み、分泌物、行動の変化など)について詳しく聞きます。

 

  1. 皮膚のスクレーピング

    - 耳介の皮膚をこすり取って顕微鏡で観察し、寄生虫(耳ダニやノミなど)や感染症(細菌や真菌)を確認します。

  1. 細菌培養と感受性試験

    – 耳から分泌物を採取し、細菌や真菌の培養を行って感染症の有無を確認します。

   培養結果から最適な抗生物質を選定します。

  1. 耳垢検査

    – 耳垢を採取し、顕微鏡で調べて耳ダニや酵母菌などの存在を確認します。

  1. アレルギー検査

    - 食物アレルギーや環境アレルギーの可能性がある場合、アレルギー検査を行います。

  1. 血液検査

    – ホルモン異常(甲状腺機能低下症やクッシング症候群など)を疑う場合、

    血液検査を行いホルモンレベルを測定します。

  1. 生検(皮膚の一部を採取して検査)

    - 皮膚の異常が深刻な場合、皮膚の一部を採取して病理検査を行い、腫瘍や特定の皮膚病を確認します。

 

治療

  1. アレルギー

    – 食物アレルギー:特定のアレルゲンを除去するための食事療法を行います。

   アレルギー対応のフードに変更することがあります。

    – 環境アレルギー:アレルゲンの回避、抗ヒスタミン薬やステロイドの投与を行うことがあります。

  1. 寄生虫

    – 耳ダニやノミ:駆虫薬の使用や外用薬の塗布、耳の清掃を行います。環境も同時に駆虫する必要があります。

  1. 感染症

    – 細菌感染:抗生物質の投与や抗菌性の外用薬の使用。

    – 真菌感染:抗真菌薬の投与や抗真菌性の外用薬の使用。

  1. ホルモン異常

    – 甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモン補充療法を行います。

    - クッシング症候群:薬物療法や場合によっては手術を行います。

  1. ストレスや問題行動

    – ストレスの原因を取り除く、行動修正のためのトレーニングや行動療法を行う。

    – 必要に応じて、抗不安薬などを使用することもあります。

  1. 外傷

    – 傷の治療、感染予防のための抗生物質の投与、傷の保護を行います。

  1. 栄養不足

    - バランスの取れた栄養価の高い食事に変更し、必要に応じてサプリメントを追加する。

 

治療を行う際は、獣医師の指導に従い、適切なケアを継続することが大切です。

治療期間中は、動物の耳を清潔に保ち、定期的な診察を受けることで、脱毛の原因をしっかりと治療することができます。

 

まとめ

犬や猫の耳介脱毛は、さまざまな原因によって引き起こされる可能性があります。早期に発見し、適切な診断と治療を受けることで、犬や猫の健康と快適さを保つことができます。

飼い主としては、定期的に犬や猫の耳をチェックし、異常が見られた場合は速やかに獣医師に相談することが大切です。犬や猫の耳介脱毛を未然に防ぎ、健康な耳を保つため、日常的なケアと適切な環境を提供しましょう。

 

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