2024/11/08
皆さんこんにちは!世田谷区のけいこくの森動物病院です。
今回はゴールデン・レトリーバーとその病気についてです。
ゴールデン・レトリーバーは、その温厚な性格や優れた運動能力で広く愛されている犬種ですが、活発な性格ゆえに股関節に負担がかかりやすい犬種でもあります。特に「股関節脱臼」は、ゴールデンに限らず大型犬に多く見られる疾患で、早期の発見と治療が大切です。本記事では、ゴールデン・レトリーバーにおける股関節脱臼の原因、症状、治療法について解説します。
股関節脱臼とは?
股関節脱臼は、大腿骨の骨頭が股関節の関節窩から外れることを指します。股関節は、歩行や走行に重要な役割を果たしているため、脱臼が起こると犬は痛みや不自由さを感じ、歩行が困難になります。特にゴールデン・レトリーバーのような大型犬では、股関節脱臼が発生しやすい傾向があります。
股関節脱臼の原因
股関節脱臼は、外的要因や遺伝的要因、加齢、体重増加などが原因で起こります。
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外的な衝撃や事故
激しい運動や交通事故などが原因で股関節が脱臼することがあります。特に若い犬が急に飛び跳ねたり、無理な動きをすると脱臼を引き起こすことがあります。 -
遺伝的要因
ゴールデン・レトリーバーを含む大型犬種では、股関節の形成不全(股関節が正しく発育しない)が遺伝的に多く見られます。この場合、関節自体が不安定で、年齢とともに脱臼しやすくなります。 -
加齢や体重
高齢になると関節が弱くなり、体重が増えることで股関節への負担が増大します。肥満も股関節脱臼のリスクを高めるため、体重管理は非常に重要です。
股関節脱臼の症状
股関節脱臼が起こると、次のような症状が現れます。
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歩行の異常
脱臼した足を引きずったり、歩く際に痛みを感じて足を使わなくなることがあります。足を上げたまま歩くこともあります。 -
痛みを感じる
股関節脱臼は非常に痛みを伴います。犬が歩くのを避けたり、座るのを嫌がったり、痛みによるうなり声を上げることもあります。 -
食欲不振や元気の低下
股関節脱臼による痛みで犬が元気を失うことがあります。特に食欲が減るなど、普段と違う様子が見られる場合は注意が必要です。
診断方法
股関節脱臼の診断には、獣医師による身体検査とレントゲン(X線)検査が基本となります。レントゲンで脱臼の程度や骨の損傷を確認することで、治療方法を決定します。特に遺伝的な要因が関わる股関節形成不全が疑われる場合も、早期の診断が重要です。
治療方法
股関節脱臼の治療は、脱臼の程度や犬の年齢、体調によって異なります。主な治療法は以下の通りです。
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整復療法
軽度の脱臼であれば、整復療法で股関節を元の位置に戻すことができます。整復後は一定期間安静が必要です。 -
手術療法
重度の脱臼や関節形成不全が原因の場合、手術が必要です。脱臼した股関節を元の位置に戻す手術や、人工股関節への置換が行われることがあります。 -
痛みの管理
脱臼による痛みを和らげるために、消炎鎮痛剤や筋肉の緊張をほぐす薬が処方されることがあります。痛みが軽減されると、犬の回復も早く進みます。 -
リハビリテーション
手術後や整復後はリハビリが必要です。リハビリテーションでは、物理療法や軽い運動を行い、筋力の回復を促します。
予防方法
股関節脱臼のリスクを減らすためには、次のような予防策が有効です。
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適切な体重管理
肥満は股関節への負担を増加させるため、食事管理と適度な運動を行い、健康的な体重を維持しましょう。 -
適度な運動
過度な運動や急激な動きは股関節に負担をかけますが、適度な運動は筋力を維持し、股関節をサポートします。特に若いゴールデン・レトリーバーには、無理のない運動を心掛けましょう。 -
定期的な健康チェック
股関節に異常がないかを確認するために、定期的に獣医師による検診を受けることが重要です。早期に異常を発見することで、治療がスムーズに進みます。
終わりに
ゴールデン・レトリーバーの股関節脱臼は、外的要因や遺伝的要因、加齢などさまざまな要因によって引き起こされます。適切な治療を受けることで回復が可能ですが、日頃からの体重管理や運動、定期的な健康チェックが予防には欠かせません。愛犬の健康を守るために、早期の発見と対応を心掛けましょう。
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