白内障とは、目の中の水晶体が白く濁る病気で、視力が低下する原因となります。人間だけでなく、犬や猫にも発症します。
年齢とともに発症することが多いですが、若い動物でも起こり得ます。早期発見と適切な治療が重要です。
原因
- 加齢: 年を取ると、水晶体のたんぱく質が変性し、白濁が進行します。
- 遺伝: 一部の犬種や猫種では遺伝的に発生しやすいとされています。
- 糖尿病: 特に犬においては、糖尿病が原因で発症することがあります。
- 外傷: 目に外傷を受けることで発生することがあります。
- 感染症: 一部のウイルスや細菌感染が原因で白内障を引き起こすことがあります。
症状
白内障の初期症状は見逃されやすいですが、以下のような兆候があります。
- 目の白濁: 目の中の水晶体が白く見えることがあります。
- 視力低下: 歩行時に物にぶつかる、視線が定まらないなどが見られることがあります。
- 瞳孔の変色: 瞳孔が灰色や白色に見えることがあります。
- 目の炎症: 目が赤く腫れることがあります。
診断
- 視診: 獣医師が目の外観を観察し、白濁の有無を確認します。
- 眼圧検査: 目の圧力を測定し、他の眼疾患の可能性や白内障の進行の度合いを確認します。
- 眼底検査: 目の内部を詳しく調べ、白内障の程度を確認します。
治療
- 手術: 白内障が進行し、視力が著しく低下した場合に手術を行うこともあります。水晶体を取り除き、人工水晶体を挿入することがあります。
- 薬物療法: 軽度の白内障の場合、進行を遅らせるための薬物療法が行われることがあります。ただし、薬物療法で完全に治癒することはできません。
- 生活環境の改善: 視力が低下している動物に対しては、家具の配置を工夫したり、障害物を無くしたりすることで生活の質を向上させることが重要です。