2025/03/12
こんにちは!
世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です🌳
今回は猫ちゃんで多い心臓病である肥大型心筋症についてお話します。
肥大型心筋症とは?
肥大型心筋症(HCM:Hypertrophic Cardiomyopathy)は、心臓の筋肉(特に左心室)が異常に厚くなる病気です。
心臓の壁が厚くなることで、血液を十分に送り出せなくなり、全身への酸素供給が低下してしまいます。
特に猫でよく見られ、犬では比較的まれな病気です。
症状
初期のうちはほとんど症状がないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れます。
運動を嫌がる、疲れやすい
呼吸が速くなる、息苦しそうにする(肺水腫や胸水の蓄積が原因)
咳をする(犬では比較的多い)
失神する、後ろ足が動かなくなる(血栓が詰まる「動脈血栓塞栓症」)
食欲不振、体重減少
特に猫では突然死することもあるため、注意が必要です。
原因
猫の肥大型心筋症の主な原因は遺伝的要因と考えられており、メインクーンやラグドールなどの品種で発症しやすいことが分かっています。
また、高血圧や甲状腺機能亢進症などの病気によって心筋が肥厚する場合もあります。
犬では、HCMは比較的まれであり、他の心疾患(大動脈狭窄症など)が関与していることが多いです。
診断
診断は以下の検査によって行います。
聴診
心雑音や異常なリズムを確認します。
レントゲン
心臓のサイズや肺の状態を確認します。
心エコー検査(超音波)
心臓の筋肉の厚さや動きを詳細に評価(最も確実な診断方法)します。
血圧測定
高血圧の有無を確認します。
血液検査
甲状腺機能や心臓の負担を示すBNP値を測定します。
治療
肥大型心筋症の治療は、症状の進行を抑え、心臓への負担を減らすことが目的となります。
βブロッカー(アテノロールなど)
心拍数を抑えて心臓の負担を軽減します。
カルシウム拮抗薬(ジルチアゼムなど)
心筋の動きを改善します。
抗血栓薬(クロピドグレル、アスピリンなど)
血栓の予防(特に猫では重要)のために使用します。
利尿剤(フロセミドなど)
肺水腫や胸水がある場合に使用します。
進行すると心不全や血栓症を引き起こし命に関わるため、定期的な検査と早期治療が重要です。
予防と管理
遺伝的要因が関係するため、特定の品種の猫は若いうちから定期的に心臓検査を受けることが推奨されます。
また、メインクーンやラグドール以外の猫腫でも生じる病気です。
肥大型心筋症は無症状のうちに進行し、突然死のリスクもある病気です。
健康診断では血液検査だけでなく超音波検査やレントゲン検査などの画像検査も受けることをおすすめします。
当院では心臓病の診断・治療に力を入れておりますので、お気軽にご相談ください。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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