2025/02/05
犬猫の肛門腺破裂とは?
肛門腺破裂は、犬や猫の肛門周辺にある肛門腺(肛門嚢)が炎症を起こし、膿が溜まった結果、最終的に皮膚が破れて膿が排出される状態を指します。
肛門腺は、排泄時に特有のにおいを放つ分泌物を分泌する器官ですが、適切に排出されない場合、感染や炎症を引き起こすことがあります。
肛門腺破裂の主な原因
肛門腺破裂の原因はさまざまですが、主に以下のような要因が関係しています。
-
肛門腺の過剰な分泌 分泌物が多すぎると排出が追いつかず、肛門腺内に溜まりやすくなります。
-
排泄不良や便秘 排便時の圧力不足により、肛門腺が自然に排出されないことがあります。
-
感染症 細菌感染が進行すると、肛門腺内で膿がたまり、破裂することがあります。
-
肥満や運動不足 肥満や活動量の低下が肛門腺の正常な機能を妨げることがあります。
肛門腺破裂の症状
肛門腺が破裂すると、次のような症状が見られます。
初期症状
-
肛門周囲の頻繁な舐めや噛みつき
-
床にお尻を擦りつける「お尻ずり」
-
肛門周囲の腫れや赤み
進行した症状
-
肛門周囲の膿の排出
-
出血や強い悪臭
-
激しい痛みや不快感
-
食欲不振や元気消失
これらの症状が見られた場合は、早急に動物病院での診察が必要です。
診断方法
肛門腺破裂は、視診や触診で比較的容易に診断されます。ただし、再発を防ぐために、以下の検査を行うことがあります。
-
視診・触診 腫れや膿の排出の有無を確認します。
-
細菌培養検査 感染した膿のサンプルを取り、原因菌を特定することがあります。
-
血液検査 感染の広がりや全身状態の確認のために行います。
治療方法
肛門腺破裂の治療は、症状の重症度によって異なります。
軽症の場合
-
膿の排出と洗浄:破裂した部分を清潔にし、膿を除去します。
-
抗生物質の投与:感染を抑えるために内服または注射で抗生物質を使用します。
-
鎮痛剤の使用:痛みを和らげるために鎮痛剤を処方します。
重症の場合
-
外科的処置:膿瘍が深刻な場合、外科的に切開して膿を取り除きます。
-
肛門腺の摘出手術:再発を繰り返す場合には、肛門腺の摘出手術が検討されます。
予防方法
肛門腺破裂を予防するためには、日常的なケアが重要です。
-
定期的な肛門腺絞り 小型犬や肛門腺が詰まりやすい個体は、1〜2ヶ月に1回程度、肛門腺絞りを行うことが推奨されます。
-
適度な運動 運動不足は肛門腺の機能低下を招くため、適度な運動を心がけましょう。
-
バランスの取れた食事 食物繊維を適切に摂取することで、健康的な便を維持し、肛門腺の自然な排出を促進します。
-
定期的な健康チェック 定期的に動物病院で健康診断を受けることで、早期発見が可能になります。
まとめ
肛門腺破裂は、適切なケアと早期治療で予防および改善が可能な病気です。肛門周囲の異常に気付いたら、自己判断せずに早めに動物病院へご相談ください。
大切なペットの健康を守るため、当院がしっかりサポートいたします。
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。
けいこくの森動物病院 Animal Dental Office 世田谷
〒158-0082
東京都世田谷区等々力1-34-18
シュロス等々力1F
TEL:03-3704-1014
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。