けいこくの森動物病院
TEL 03-3704-1014

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チワワの弁閉鎖不全症について

こんにちは!

世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。

チワワはその愛らしい外見と小柄な体が特徴的で、家庭犬として非常に人気の高い犬種です。しかし、小型犬の特性として、加齢に伴い心臓の疾患にかかることが多く、その中でも「弁閉鎖不全症(べんへいさふぜんしょう)」は特に注意が必要な病気の一つです。弁閉鎖不全症は、心臓の弁が正常に閉じず、血液が逆流してしまう状態を指し、放置すると心不全やその他の深刻な症状を引き起こす可能性があります。

本記事では、チワワにおける弁閉鎖不全症の原因、症状、診断方法、治療法について詳しく解説します。愛犬の健康を守るために、弁閉鎖不全症について正しい理解を深めていただけることを願っています。

1. 弁閉鎖不全症とは?

弁閉鎖不全症は、心臓の弁が正常に閉じず、血液が逆流してしまう状態を指します。心臓はポンプの役割を担い、血液を全身に送り出します。その過程で、血液が逆流しないように弁が閉じることが重要ですが、この弁がうまく閉じないと、血液が逆流し、心臓に余分な負担がかかります。

犬の心臓には4つの弁(僧帽弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁)がありますが、弁閉鎖不全症は主に「僧帽弁」と「三尖弁」に発生することが多いです。弁が正しく閉じないことで、血液が心臓内で逆流し、心臓が効率的に血液を循環させることができなくなります。その結果、心不全や肺水腫(肺に水分がたまる状態)などの症状が引き起こされます。

2. チワワにおける弁閉鎖不全症の原因と発症

弁閉鎖不全症は、チワワにおいて比較的多く見られる心臓疾患の一つです。小型犬は特にこの疾患を発症しやすい傾向にあります。チワワにおける弁閉鎖不全症の主な原因とリスク要因は以下の通りです。

(1)加齢

チワワをはじめとする小型犬は、高齢になるにつれて心臓の弁が劣化する傾向があります。弁は加齢に伴い弾力を失い、閉じる力が弱くなります。特に7歳以上の高齢犬で症状が現れることが多いです。

(2)遺伝的要因

弁閉鎖不全症は、遺伝的な要因が強い疾患です。チワワはこの疾患を発症しやすい犬種の一つとされ、特に先天的に弁の構造に問題がある場合、加齢とともに弁閉鎖不全症を発症することがあります。

(3)心臓の構造的問題

心臓の弁そのものに異常がある場合や、心筋の異常が進行すると、弁閉鎖不全症が発生することがあります。心臓自体の構造的な問題が、弁に負担をかけることが原因となる場合もあります。

3. チワワの弁閉鎖不全症の症状

弁閉鎖不全症は進行性の疾患で、初期の段階では軽微な症状しか見られないこともありますが、病状が悪化すると深刻な症状が現れることがあります。以下に代表的な症状を示します。

(1)咳

弁閉鎖不全症によって血液の逆流が起こると、心臓や肺に負担がかかり、肺水腫が引き起こされることがあります。その結果、咳が見られるようになります。特に夜間や運動後に咳がひどくなることがあります。

(2)運動不耐性

弁閉鎖不全症が進行すると、チワワは運動後に疲れやすくなったり、散歩を避けるようになることがあります。元気がなくなり、活動的でなくなる場合もあります。

(3)呼吸困難

心臓がうまく血液を循環させられなくなると、肺に水分がたまり、呼吸が困難になることがあります。深刻な場合、チワワは呼吸が早く、浅くなることがあり、息切れを示すこともあります。

(4)食欲不振や体重減少

心臓に負担がかかることで、消化機能にも影響が及び、食欲不振や体重減少が見られることがあります。食欲が減少し、元気がなくなるといった症状が見られた場合は注意が必要です。

(5)浮腫(むくみ)

弁閉鎖不全症が進行すると、体内に水分がたまり、浮腫(むくみ)が現れることがあります。特に足やお腹にむくみが見られることがあり、これも病気の進行を示す重要なサインです。

4. 弁閉鎖不全症の診断方法

弁閉鎖不全症を正確に診断するためには、いくつかの検査が必要です。獣医師は、以下の方法を用いて診断を行います。

(1)聴診

獣医師が心音を聴くことで、弁の不具合や血液の逆流を示す雑音を確認することができます。聴診は、初期の段階でも異常を見つけるために非常に有効な手段です。

(2)心エコー(超音波検査)

心エコーは、心臓の構造や弁の動き、血液の流れを詳細に見るための検査です。弁閉鎖不全症が進行しているかどうか、どの程度血液の逆流が起きているかを確認するために重要な検査です。

(3)血液検査

心不全が進行すると、血液中のいくつかのマーカー(例えばBNPや心臓特異的酵素)のレベルが上昇します。血液検査を通じて、心臓の負担や状態を把握することができます。

(4)胸部X線検査

胸部X線検査により、心臓の大きさや肺の状態を確認できます。肺水腫が進行している場合、肺の影が明瞭に映し出されることがあります。

5. チワワの弁閉鎖不全症の治療方法

弁閉鎖不全症の治療は、病気の進行具合に応じて異なりますが、主に以下のような方法が取られます。

(1)薬物療法

軽度から中等度の弁閉鎖不全症に対しては、薬物療法が効果的です。利尿剤やACE阻害剤、ベータブロッカーなどが使用され、心臓の負担を軽減し、血液の逆流を抑えることが目指されます。薬によって、症状の進行を遅らせることができます。

(2)手術療法

重度の弁閉鎖不全症の場合、外科的手術が必要になることがあります。手術では、弁を修復するか、人工弁に置き換えることがありますが、手術は高リスクであるため、慎重に検討されます。

(3)生活環境の管理

治療と並行して、生活環境の改善が重要です。過度な運動を避け、ストレスの少ない環境を作ることで、心臓への負担を減らします。また、定期的な獣医師の診察を受け、進行状況を確認することも大切です。

6. まとめ

チワワの弁閉鎖不全症は、特に高齢犬に多く見られる心臓疾患です。早期発見と適切な治療が、愛犬の生活の質を大きく向上させます。飼い主としては、定期的な健康チェックと日々の観察を怠らず、異常を感じたら早期に獣医師に相談することが重要です。弁閉鎖不全症に関する知識を深め、愛犬の健康を守る手助けにしてください。

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