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獣医師が教える!|愛犬の鼻血、放っておいてはいけない理由と正しい対応法

もしも愛犬が急に鼻血を出していたら、動揺してしまう飼い主様は少なくありません。犬は人とは異なり、鼻をかんだときや乾燥したときなどに鼻から血が出ることはなく、主に病気やケガが原因で起こります。そのため、早期発見・早期治療を行うことが何よりも重要です。

今回は犬の鼻血について、主な原因や症状、正しい応急処置の方法、予防方法などを解説します。

■目次
1.犬の鼻血が起こるメカニズム
2.鼻血の主な原因と症状
3.鼻血と一緒に見られる要注意な症状
4.応急処置の正しい方法
5.緊急性の判断ポイント
6.動物病院での検査・治療について
7.予防と日常のケア方法
8.まとめ:愛犬の健康を守るために

 

犬の鼻血が起こるメカニズム

犬の鼻は犬種によって長さが異なりますが、中の構造は同じです。鼻の穴は喉につながっていて、「鼻中隔(びちゅうかく)」という板で左右に仕切られています。そして鼻の中は全面が粘膜に覆われており、この粘膜に傷がついて出血を起こすと、鼻血が出ます

人の場合は鼻をかんだときや、乾燥したときなどに鼻血が出るケースが多いですが、犬の鼻血は基本的に病気やケガが原因で起こります。

 

鼻血の主な原因と症状

犬に鼻血が見られた場合、以下のような原因が疑われます。

 

外傷(ケガ)

鼻の中に異物が入った場合や、事故で鼻に強い衝撃が加わったときなど、鼻の中に傷がつくことで起こります。真っ赤な血が出ますが、場合によっては大量の鼻血が出ることもあります。

 

感染症や炎症

細菌やウイルスの感染や鼻炎などによって鼻の粘膜に炎症が起こり、鼻血が出ることもあります。ケガのときとは違い、血が混じった黄色〜緑色の粘り気の高い鼻水が出ます。

 

歯周病

重度の歯周病になると口と鼻を隔てている骨が溶けて穴が開き、黄色〜緑色の粘り気の高い鼻水と一緒に鼻血がでることがあります。

 

歯周病が引き起こす全身疾患のリスクについてはこちらから

 

腫瘍

鼻の中の腫瘍(鼻腔内腫瘍)が大きくなると、鼻血が出ることがあります。犬や猫の鼻腔内腫瘍は悪性のものが多く、基本的に片側の鼻から出血します。

 

血液疾患

血を固める機能に異常が生じると出血しやすくなるため、真っ赤な鼻血が出ることもあります。

 

鼻血と一緒に見られる要注意な症状

鼻血と一緒にどのような症状が見られるかによって、ある程度原因が絞られます。例えば、くしゃみや咳と鼻血が同時に出ている場合は、鼻炎や感染症、歯周病、腫瘍などが原因である可能性があります。

また、犬はニオイによって食欲が刺激されるため、鼻が詰まって嗅覚が落ちると、食欲が落ちることがあります。また、元気がない場合は出血が多かったり病気が進行したりして、全身状態が悪くなっている可能性が考えられるため、直ちに病院を受診しましょう。

特定の季節にだけ鼻血が見られる場合は、アレルギーが原因かもしれません。犬や猫のアレルギーは皮膚に症状が出ることが多いため、皮膚の状態もよく確認しましょう。

犬のくしゃみについてはこちらから

 

応急処置の正しい方法

人の場合であれば、鼻に詰め物をして応急処置をすることが多いと思います。しかし、犬は鼻呼吸であることから息苦しくなってしまうため、詰め物はNGです。また、上を向かせた方が良いと思われがちですが、上を向かせると鼻血が喉の方に流れてしまうため、上を向かせるのもNGです。

犬の場合、基本的にご自宅でできる応急処置は「冷やすこと」です。嫌がらなければ鼻を氷などで冷やしながら、すぐに動物病院を受診しましょう。

万が一すぐに受診できない場合は、鼻血が確認できた時間や出血が続いた時間、血の色や状態、体調の変化などをよく観察して記録しておくと、診察の際に役立ちます。

 

緊急性の判断ポイント

繰り返しになりますが、犬が鼻血を出していたら、その多くは病気やケガが原因です。そのため、出血量や出血時間にかかわらず、すぐに病院を受診しましょう。

また、万が一すぐに鼻血が止まったとしても、治療をせずそのままにしてしまうと、すぐに再発をする恐れがあります。治療が遅れれば遅れるほど病気が進行するリスクもあるため、基本的には経過観察はせず、病院で検査を受けましょう。

 

動物病院での検査・治療について

病院では問診や身体検査を行った後、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などを行います。また、場合によっては病理検査や血液凝固系検査、CT検査が必要になることもあります。

そして検査の結果をもとに、原因に合った治療を行います。例えば、外傷や腫瘍が原因の場合は手術を行ったり、感染症や血液疾患が原因の場合は薬物療法を行ったりします。また、歯周病が原因の場合は、歯石除去や抜歯などを行います。

予後も病気によってさまざまです。例えば鼻の中に異物が入った場合は異物を取り除くことで完治しますが、鼻腔内腫瘍や血液疾患の中には、予後があまり良くないものもあります

 

予防と日常のケア方法

鼻血は以下のような飼い主様の日頃の努力で、ある程度予防することができます。

・鼻に異物が入らないよう、お散歩中は草むらなどに顔を突っ込ませない
・事故を防ぐために散歩中は必ずリードをつけ、部屋の入口や玄関には脱走防止の柵などを設置する
・感染症予防のために、混合ワクチンを接種する
・小さいうちから毎日歯磨きを行い、歯周病を予防する

ただし、すべての病気を予防することは難しいため、病気を早期発見・早期治療することも重要です。日頃から元気や食欲など体調に変化がないかをよく観察して、病院でも定期的に健診を受けるようにしましょう。

 

まとめ:愛犬の健康を守るために

犬は滅多に鼻血を出すことがなく、ほとんどが病気やケガが原因で起こります。そのため、愛犬に鼻血が見られた場合は、出血量などに関係なく、直ちに動物病院を受診しましょう。

また、鼻血を引き起こす原因は多岐にわたりますが、中には悪性腫瘍や血液の病気など、命を脅かすようなものもあります。定期的に健診を受け、早期発見・早期治療を心がけましょう。

本記事でご紹介した内容を参考に、心配な症状が見られた場合は、迷わず動物病院に相談することを推奨します。

 

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